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うちの猫は早く寝ろと催促してくる  作者: 三枝 優
第3章
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エピローグ

それからしばらくたった後。

高木さんと私は結婚した。



プロポーズは情けないことに彼女のほうからだった。

今考えると、私は年齢のことを気にしてぐずぐずしていたのだろう。

けれども、彼女はそんなことはまったく気にせずに私のもとに来ることを選んだ。


「山崎さん、お願いします。わたしを家族にしてください。」

私は、そんな高木さんを受け入れるしかなかった。



その後、私の実家はひと騒動になった。

再婚するにしても20歳以上離れた若い女性を連れてくるのは予想外だったようだ。

妹なんかは、自分より一回り以上若い義姉にどう対処すればいいか困っているようである。


高木さんの実家でも、驚かれた。

年上で・・ほぼ自分たちと同年代の男性を娘が連れてきたのだから。

それでも、好意的に受け入れてもらえたのがうれしかった。




結婚式は挙げなかった。

彼女は結婚式を挙げることにこだわりが無いようで、必要ないと言っていた。

なので、それぞれの両親を呼んでお食事会くらいで済ましてしまった。

新婚旅行も近場の国内旅行。

なにしろ、ハナちゃんがいるので家を空けられない。


----

やがて、また月日がたち。


我々は食後に和室でゆっくりと過ごす。

今日の食事は私が作った。

最近は少しずつ私にも食事を作らせてもらえる。


食後に飲んでいるノンカフェインのハーブティ。

くつろぐ彼女のお腹は目立つほど大きくなってきている。

もうしばらくしたら産休に入る予定だ。


まさか、この年齢になって子供を授かると思っていなかった。

自分の定年とこの子の年齢を考えて不安になっていると・・・

「私が稼ぐから大丈夫ですよ。あなたには専業主夫になってもらおうかしら。」

と言われた。やはり女性は強い。


彼女と私と・・・この家で過ごす日常は落ち着いていて、それでいて幸せな日々を暮らせている。

今があるのも、雫のつないでくれた縁のおかげなのだろう。





階段から降りてくる足音がする。

和室に入ってくると・・・・・


「ニャア!」(夜更かししてないで、寝るわよ!)

ハナちゃんが催促してくる。



そう



今日もうちの猫は早く寝ろと催促してくるのだ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ご主人様をお世話する御役目はハナちゃんが二代目。 頑張ってね。
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