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秋 雫Side
外から、鳥の鳴き声がする。
きっと今年も柿を食べに鳥たちがやってきているのだろう。
でも、私は縁側で声を聴きながらも、2階には上がらない。
もう、私には2階に上がることも、出窓に上がることもできないだろうから。
あぁ・・いつまでもご主人と一緒にいたいよ。
でも、もうわかるのだ。
最近は動き回る元気もなくなってきた。
ご飯もたくさんは食べられなくなってきた。
もう、縁側でゆっくりとするしかない。
やたらと眠い。
ハナは私のことを心配して、よく毛づくろいをしている。
心配させているのはわかるけど。
ご主人にも。
ご主人は、夜寝るとき毎晩背中を撫でてくれる。
そして眠りにつくのだ。
あぁ。明日も・・・こんな風に過ごせるだろうか。
ご主人と一緒にいられればそれでいい。
ただ、それだけが私の望み。
季節に追いつきました。




