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寝室② 雫Side
どうやら本当にあの女とご主人は同じ部屋で寝るらしい。
私は、ご飯を食べて、トイレに行って寝る準備をする。
寝室に入ると、もう布団は敷いてあって、寝る体制ができている。
私は、布団の上をのしのしと歩いて、ご主人の布団の上で寝る体制をとる。
もちろん、ご主人とあの女の間のスペースに陣取った。
ふんっ と鼻を鳴らしてしまう。
”ししょー、ししょー。こっちで一緒に寝ましょうよ。”
ハナが布団の端っこから呼んでいる。
明らかに状況を楽しんでいる顔をしている。
”ほっといてよ”
尻尾をぱたっとさせる。
近くに来たらはたいているところだ。
やがてご主人も私の隣で横になる。
電気を消して・・・寝るのだろう。ゆっくりと、私の背中を撫でてくれる。
気持ちいいなぁ・・・
やがて睡魔に誘われて眠りについた。
夢の中で奥さんに会った。
「いいのよ、雫ちゃん。大丈夫よ。」
奥さんは私の頭を撫でてくれた。
何がいいのだろう?
そう思いながらも、奥さんに撫でられるのがうれしくて・・・
そのあと、奥さんと話した気がしたのだが、朝起きると何を話したのか思い出せなかった。




