夜ごはん 雫Side
夕方6時過ぎ。
そろそろ夜ご飯かしら。
キッチンの前に行くと鶏肉のにおいがする。よしよしちゃんと買ってきてるね。
ときどき、鶏肉でなく出来合いのキャットフードでごまかされる時もあるが、基本的には鶏のむね肉が好きなのだ。
昔はささみが好きだったが、ある時むね肉の味を知ってから病みつきである。
「にゃああ~」(茹ですぎないでねー)
「もうちょっと待ってて。」
「にゃああ~」(茹ですぎパサパサはだめよー)
「はいはい、もうちょっと待っててね。」
(全然わかってない・・・)
ちょっと不安を感じながら和室で待つことにした。
「雫ー。ご飯だよー。」
ようやくできたらしい。
てってってとリビングに入っていく。
「にゃー」(遅いわよ)
食事場所であるケージの上に飛び乗る。
いつもは、にゃあと鳴いて抱っこさせるのだが、空腹に負けました。
「ちょっと待ってね」
カリカリを補充してくれた。わかっているじゃない。
私は胸肉とカリカリとを交互に食べるのが好きなのだ。
あら、今日の茹で方はなかなかいいわね。
空腹に負けてご飯を食べているのだけど、いつまでたってもご主人はご飯を食べようとしない。
一緒に食べたいのに・・・
”トン”とケージから雫が降りリビングの出口に向かう。
「満足しましたか?」
「くるる・・・」(早くご飯にしなさいよ)
はぁ・・・
ご主人が夕食を作る気配がする。
まだかな・・・まだかな・・・
ご主人がリビングに戻ってきた気配。
さて、一緒にご飯にしましょうか。
「にゃあ・・・」(呼んでくれてもいじゃない)
文句を言ったけど、全然わかっていない様子。うーん。
そしてご主人と一緒にご飯を食べるのだ。
最近、ご主人と一緒にご飯を食べることが多く、ちょっと嬉しい。
ご主人はご飯を食べ終えたらしい。私もおなか一杯になり幸せだ。
ケージから”トン”と降りると、リビングから出ていき和室に向かう。
食後に縁側で毛づくろい。庭を眺めながら手並みの手入れをするこの時間が好きなのだ。
あぁ幸せだ。
明日もご主人と夜ごはんが食べれるといいな。