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和室 雫Side
和室は我が家で一番広い部屋で、縁側もある。
夜ご飯を食べた後、私は縁側で毛づくろいをするのが日課だ。
しかし、週末は邪魔をされる。
「すみません、お風呂先にいただきました。」
そう言って和室に入ってくるあの女。
むう・・・
仕方ないので、縁側から出て2階に向かう。
2階の寝室の前でご主人を待つ。
まだかしら・・・
「それでは、高木さん。おやすみなさい。」
「ええ、おやすみなさい。」
あの女に挨拶をしてご主人が2階に上がってきた。
「にゃ!」(遅いわよ!)
ご主人を先導して寝室に入る。
ご主人は電気を消してベッドに横になる。
以前なら飛び乗ったのだけど、ご主人が設置してくれたスロープを登る。
そしてご主人の横に寝そべるのだ。
ご主人が撫でてくれる。
ゴロゴロと喉を鳴らす。
やがて、ご主人は寝てしまった。
私も眠ってしまう。
おやすみなさい、ご主人。
ゆっくり眠ってね。




