和室
1階の和室は8畳間。
床の間もあり、縁側もある。
我が家で一番広い部屋で、客室にもなっている。
今は、週末は高木さんが寝室として使っている。
まぁ、雫はそれが気に入らないようなのだけれど。
なぜなら縁側は雫のお気に入りの場所。
そこに行くには和室を通らなければならない。
夕食後、必ず雫は縁側に行って毛づくろいをする。
「すみません、お風呂先にいただきました。」
そう言って風呂上がりでパジャマ姿の高木さん。
高木さんが和室に入っていくと、不機嫌そうな雫が和室から入れ違いで出てくる。
そして、階段を登って寝室に向かう。
きっと寝室の前で待っているのだろう。
あまり遅いと、早く寝ろと催促にやってくる。
早く寝る準備をしなくては。
ささっと風呂に入り、歯を磨く。
「それでは、高木さん。おやすみなさい。」
「ええ、おやすみなさい。」
高木さんに挨拶をして2階に上がる。
案の定、寝室の扉の前で雫が待っていた。
「にゃ!」(遅いわよ!)
はいはい、もう寝ましょう。
ベッドに横になると、雫もスロープを登って雫もやってくる。
私の右横に寝そべって、ゴロゴロと喉を鳴らす。
雫を撫でているうちに、睡魔に誘われて眠るのだ。




