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うちの猫は早く寝ろと催促してくる  作者: 三枝 優
第3章
107/132

その間隔

(高木さん視点)

うちのハナちゃんは頭がよい。

頭が良いのだけれど、良すぎて困ってしまうこともある。

「ハナちゃん、そろそろ出かけるわよ。」

そう言うと、嬉しそうにしっぽをピンと立てながら自分からキャリーに入っていく。

そして、こっちを見て催促する。

「ニャー」(早く行きましょう)

雫ちゃんに会ってからどんどん賢くなるわね。


山崎さんの家ではハナちゃんはまるで自分の家のようにくつろいでいる。

私は・・・・

山崎さんと私は、どんな関係なんだろう。

恋人とは言えないと思う。

男女の関係になったこともない。


ただ・・・母親が再婚して以来、私にはいるべき家庭とうものを失ったと思っていたのだが。

この山崎さんの家では、まるで落ち着くべきところのように感じてしまうのだ。

おそらく、恋愛ではないのだろうけど。

それでも、山崎さんがいて、雫ちゃんがいて、ハナちゃんがいて、私がいる。

それが当たり前のように続いていけばいいのに。

そう思ってしまう。


そう、私はきっと家族が欲しかったのだ。


それにしても、ハナちゃんは頭がよい。

良すぎて困るほどだ。


「ニャー」(こっち来てー)

と呼びに来たのでついていくと、縁側で雫ちゃんを撫でている山崎さんの近くに座る。

”ちょうど、人一人分の間を空けて。”

それじゃあ、まるで山崎さんの隣に座らなきゃいけないようじゃない。


まぁ、ハナちゃんに誘われたから仕方ないわね。

山崎さんの隣に座りましょう。

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