買い物
高木さんは掃除だけでなく洗濯までやろうとする。
”いや、そこまでしなくてもいいですから”と言っても”大丈夫ですよ”と笑いながら答えてきて取り合っれくれない。
「ところで、このジーンズ。裾のあたりが擦り切れてきていますけど、随分長いこと着てるんですか?」
「まぁそうですね・・・たぶん10年くらいは着ているんじゃないでしょうか?」
すると、ちょっと驚いたように目を丸くして言う。
「私も服を買いたかったので、午後はお買い物に一緒に行きませんか?」
「はぁ・・・」
午後は近くのショッピングモールに車でやってきた。
高木さんは、自分の服がほしいと言っていたのだが私に服を勧めてくる。
ジーンズとポロシャツを買うことになった。
「高木さんも買うのではなかったんですか?」
「あら、私も買いますよ」
そう言って、持ってきたのはパジャマ。
合わせてお会計をする。
「すみません、払わせてしまって。後で返します。」
「いえいえ、これくらい大丈夫ですよ。」
今は、ショッピングモールに入っているカフェでコーヒーを飲んでいるところだ。
「他に行きたいところはありますか?」
「私は特にありませんけど、山崎さんはありますか?」
「もしよかったらペットショップに寄って行ってもいいですか?」
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(高木さん視点)
山崎さんは、仕事のときはピシッとしたスーツなのに、休日に来ている服はいい加減なのかしら。
スーツはオーダーしているらしいのに・・・
ジーンズの裾が擦り切れているので聞いてみたら10年以上着ているって言った。
物持ちがいいというか・・・
なので、ショッピングモールに一緒に行って服を購入する。
今度、もっとたくさん購入しよう。
自分用にはパジャマ。山崎さんの家に置かせてもらおうと思っている。
その後にペットショップに行った。
ペットショップで、猫のご飯でも買うのかと思っていたら、目的は違うものでした。
「これは・・・?」
「最近、雫がベッドの上り下りが大変みたいで・・・これがあれば楽になるんじゃないかと思って探しに来ました。」
雫ちゃん、あいかわらず大事にされている。
ちょっと妬けちゃうくらい。




