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縁側の猫たち
庭で雑草を抜き、その後で水撒きをしている。
縁側では眠そうに目を細めながらこちらを見ている。
ハナちゃんは興味深げに目をキラキラさせなが外を眺めている。
今日も雫は眠そうだ。
リビングに目をやると、高木さんが掃除機をかけている。
お客さんだから掃除なんてしなくてもいいと言ったのだが、お世話されているのは自分だからと笑いながら答えてきた。
我が家も随分にぎやかになったものである。
以前は一人でいると、死について考えてばかりだった気がする。そんな私を雫がなんとか繋ぎ止めていてくれていた。
最近はそんなことを考える暇もなくなった。
でも、この縁もきっと雫のおかげなんだろうな。
雫は相変わらず太陽に照らされてキラキラ光る水玉を見ている。
本当に水を撒くのを見るのが好きだな。




