待ち合わせ2
「お待たせ、待ったかしら?」
駅の広場でスマホを触りながら時間を潰していると、
約束の時間十分前に彼女がやってきた。
「ううん、今来たとこ」
本当はかなり前から待っていたが、
僕はこの台詞が言いたいがために、早めに集合場所へ来ていた。
「それ絶対に言ってみたかっただけでしょ?」
僕の底が薄い思惑は、一瞬にして彼女に見破られた。
「分かる?」
僕は気恥ずかしさから頭を掻いた。
「ドヤ顔で言われれば、嫌でも気づくわ」
彼女は呆れた表情をしながら溜め息をひとつ溢した。
「しかしあれだね、今日は僕を殺しにかかってきてるね」
今日の彼女はいわゆる『童貞を殺す服』と世間で言われている、
フェミニンな出で立ちだった。
「どういう意味?」
彼女は訳が分かっていないのか、不思議そうに小首を傾げた。
「服装でさ」
リボンタイデザインのブラウスは、シルクのようなトロみのある、
指からこぼれ落ちていくような滑らかそうな生地で、柔らかく、上品な質感だった。
彼女のボティラインを美しく魅せるよう程よくフィットしていた。
上品なお嬢様という印象を受けた。
「友達に勧められたのだけれど、何かおかしいかしら?」
「可愛すぎて鼻血出そう」
「鼻血を出したら即解散よ?」
「鼻にティッシュを詰めるのはアリ?」
「ナシよ」