文化祭~準備~2
「忙しそうだね」
生徒会室に入った僕は一心不乱に書類を捌いている彼女に声をかけた。
「ほんと、嫌になっちゃうわ」
彼女は手を休める事無く返事を返してきた。
「何か手伝おうか?」
彼女一人が作業しているのが心苦しく、僕は控え目に提案した。
「貴方に手伝ってもらうと、かえって作業量が増えるからいいわ」
「ひどい!」
「前に手伝って貰ってテンヤワンヤしたのをもう忘れたのかしら?」
「さて、飲み物でも買ってこようか?紅茶でいい?」
「甘めのやつにしてちょうだい」
「珍しいね、いつもは無糖なのに」
「疲れてるのよ」
「肩でも揉もうか?」
「視線が肩にいってないからいいわ」
「バレたか」
「あ、そうだ。この書類を職員室まで持って行ってちょうだい」
「職員室のシュレッダーにかければいいんだね?」
「そんな事をしたら反省文百枚書いてもらうわよ?」
「それは勘弁、できれば甘いお仕置きにして欲しいな」
「馬鹿言ってないで早く持って行って頂戴、
帰ってきたら休憩がてら貴方の想像していることをしてあげる」
「韋駄天の如く音速で戻ってくるよ」
「・・・何も聞かずに行ってしまったけど、
職員室でどこに置くのか分かるかしらねぇ」