表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【チラシの裏】僕と彼女たちの小話  作者: 農民
高校生エッチなイチャ甘ラブコメ メイン
83/169

電車の君3

ドアが閉まり、電車が緩やかに動き出す。




後で思い返すと、ここだと言える。




この時、僕と彼女の物語も動き出したのだったと。




「おはようございます」




圧倒的な美のオーラを放つ彼女に、僕は気後れしながら何とか挨拶を返した。




「昨日はありがとうございました」




動き出した車内で、彼女はブレる事無く綺麗にお辞儀をした。




「いや、あの、その・・・


これ、落としてたよ」




僕は何を言っていいのか分からず、パニックになり完全にドモってしまい、


通報物の不審者もかくやと言える程、挙動不審だったが、


彼女の落し物を預かっていたのを思い出し、慌てて鞄をゴソゴソ漁り、


何とか探し出せた本を彼女に差し出した。




「ありがとうございます、探していたんですよ」




彼女は嬉しそうにフワリと笑い、僕から受け取った本を胸にかき抱いた。




彼女の可憐な笑顔は、まるで蕾から花開く瞬間のようだった。




「渡せてよかったよ」




彼女の笑顔に見惚れながら、僕は無事に持ち主に返せた事にホッとした。




「・・・読まれました?」




彼女は可愛らしく小首を傾げて、僕の顔を下から覗き込んできた。




「ごめん、勝手に読ませてもらったんだけど・・・面白かったね」




僕は勝手に読んだので、ばつが悪く、目を泳がせながら頭を掻いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ