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お誕生日様
「ずいぶんご機嫌ね」
放課後の生徒会室でニコニコとしながら座る僕を見て彼女は言った。
「今日は何の日か知ってる?」
僕は福々と笑いながら彼女に問いかける。
「ルイ13世の誕生日ね」
彼女は淡々と答えた。
「おしいっ!誕生日までは合ってるんだけどなぁー」
僕は変わらずニマニマしながら彼女を見つめる。
「分かってるわ、貴方の誕生日でしょ」
彼女は少し呆れた表情をしながらため息を吐いた。
「正解ぃっ!今日の僕はお誕生日様なのだぁ!」
僕は特に意味は無いが両手を上げてガッツポーズをした。
「嬉しそうねぇ」
彼女は頬杖ついてはしゃぐ僕を見つめてくる。
「誕生日だから・・・こう、何かあるよね?」
僕は立ち上がり両手を広げてアピールをする。
「何を期待しているのよ」
彼女はジト目をしつつ足を組み替えた。
「期待しかないよぉー、ほらほらぁー、何かあるでしょおぉー」
僕は両手の人指し指だけ伸ばしクルクルと手首を回し続けた。
顔は相当ウザそうな表情をしていただろう。
「何も」