三連休明け2
「三連休明けでヤル気が出ない」
僕は人気の無い生徒会室で上半身を机に投げ出し呟いた。
「先週も同じこと言ってなかったかしら?」
彼女は僕の方に視線すら寄越さずに自分の席で読書を続けていた。
「二週連続で三連休があったら、ヤル気が出ないのも当然だよね?」
僕は机に顔を密着させながら言った。
「リフレッシュするために休日があるんじゃないの?」
僕の相手をしつつ、彼女は読書を続ける。
「さっきから何読んでるの?」
僕は彼女にかまって欲しくて彼女に問いかける。
「英国から取り寄せた洋書よ、存外ハマっちゃって三連休中はずっと読んでいたわ」
「へぇー、奇遇だね。僕も三連休中はずっと読書をしていたよ」
「そうなの、何を読んでいたの?」
「ライトノベル」
「文字を読むだけ関心したわ」
「読書の秋!」
それからしばらくの間、無言の時間が続いた。
時折彼女が本のページをめくる音と二人の息づかいのみが室内に響く。
「あー、ヤル気が出ない」
僕は無言の空間に耐えきれず、言葉を発した。
「それはさっきも聞いたわ」
やはり彼女はこちらを見ずに読書に専念する。
「アレやってよ、アレ」
僕はお尻を振り、椅子をブラブラ揺らして彼女にねだった。
「アレ?ガンバレ、ガンバレってやつ?」
彼女はやっと本から視線を外し、僕の方へ顔を向けた。
「そうそう」
相変わらず机に顔を張り付けたままの僕だが、
ようやく彼女と目があって嬉しくなった。
「嫌よ、前にやってあげた時、
全然頑張らずに午後の授業で寝ていたのは知っているのよ?」
彼女は淡々と僕が突かれて痛い所を的確に指摘してきた。
「あれはっ!やはりっ!ガンバレのエネルギー注入が足りなかった!」
僕は勢い良く立ち上がり、拳を振り上げた。
「なに?私のせいだって言いたいの?」
彼女の美しい顔には青筋が浮かんでおり、笑ってはいたが完全にキレた顔をしていた。
「違う!君は完璧だった!正に現世に舞い降りた天女のようだった!
足りないとすれば・・・そう!衣装だ!」
笑顔とは本来攻撃的なものであり、そんな言葉が頭をよぎりつつ、
若干腰が引けつつも僕は熱弁を奮った。
「衣装?」
彼女の頭にハテナマークが点る。
「そう!現世に舞い降りた天女には!それ相応の衣装が必要だったのだ!」
僕は歯が見える程の笑顔を心掛け、両手を広げて彼女の怒りを包み込もうとする。
「そんなもの、どこにあるのよ」
彼女は胡散臭いものを見るようにジト目で僕を見つめてくる。
「今から取ってくるよ!」
僕は足早に生徒会室のドアにかけよる。
「何を持ってくるつもりよ」
閉めたドアからそんな彼女の言葉が聞こえた。
「持ってきたよ!」
僕は子どものように無邪気に笑いながら生徒会室の扉を開いた。
「ずいぶん時間がかかったわねぇ」
彼女は優雅に足を組み、読みかけていた本を置いて僕に向き合った。
「これが天女の羽衣だぁ!」
そう言って僕は体育祭で使うチアガールのコスチュームを彼女に差し出した。
「・・・サイズがだいぶ小さいみたいだけど」
彼女はチアガールのコスチュームを一通り眺めるとポツリとそう溢した。
「うちのクラスのチアの応援衣装だよ!試作品だけど」
僕は胸を張って彼女に勧めた。
「かなり男性目線の意見が取り入れられた作品ね」
彼女はチア衣装を手にとって感想を言う。
「服飾同好会の力作だよ!?」
「貴方のクラスの女子たちは皆これを着るの?」
「正式採用は見送られた、かな?」
「でしょうね」
彼女はため息を吐いた後、チア衣装を机の上に置いた。
まるで着る意志が無いことの意志表示に思えた。
「絶対に似合うから着てみてよ!」
僕はすがりつくように彼女に懇願した。
「というか、貴方、今すごくヤル気を出してるわよね」
彼女の指摘に僕はハッとした。
彼女に痴女チアコスされるために情熱を注ぎ込み過ぎて、
彼女から見れば今の僕はヤル気に満ち溢れているように見えるだろう。
「あー、急にヤル気が無くなってきた。
これはチア衣装来てくれなきゃ午後の授業で寝ちゃうなぁ」
僕は椅子に座り込み、上半身を机に放り投げて脱力した。
「本当に調子がいいわねぇ」
彼女はそんな僕を呆れた表情で見つめた。
「チラッ、チラッ」
僕は期待を込めた眼差しで彼女をチラチラ見る。
「言葉にしなくてもチラチラ見ているのは知ってるわ」
彼女は脱力したように両肩の力を抜きながらため息を吐いた。
「もう、しょうがないわねぇ・・・着替えるから外に出てちょうだい」
「見ているから、今着替えてくれてもいいんだよ?」
「私の気が変わる前に出た方がいいわよ?」
「はぁい!一旦失礼しまぁす!」
僕はスゴスゴと生徒会室を出たのであった。
「もぉーいぃーかぁーい」
僕は子どものように無邪気に声を上げた。
「・・・ちょっと待って、流石にこれはヤバいわ」
扉の向こうから彼女の焦った声が聞こえた。
「いける?いけるよね?失礼しまぁすっ!」
僕はちょっとずつ扉を開き、生徒会室に侵入した。
そこにはチアガールのコスチュームを着た彼女が恥ずかしそうに立っていた。
秋色を基調としたノースリーブのトップスはピッチリと肌に張り付いており、
彼女の形良い美乳がクッキリと浮かび上がっていた。
トップスの丈は胸下までしか無く、彼女の腰は可愛らしいおへそが丸出しであった。
くびれのある彼女の腰はまるで白亜の宮殿に置いてある壺のように
芸術的に美しかった。
トップスと同様に配色されたスカートは超ミニと言って差し支えが無く、
歩くために足を上げただけでパンティがチラリと覗いてしまうほど短かった。
晒された彼女の太ももはシミ一つない綺麗な色白の肌をしており、
ハリのあるしなやさに僕は吸い寄せられそうになった。
彼女は顔を真っ赤に染めて、右腕で胸を隠し、左腕でお腹を隠そうとしていた。
懸命に隠そうとはしているが、
全然隠しきれずにモジモジ恥ずかしそうに動く彼女が堪らなく可愛かった。
「この服を作った人は馬鹿ね」
彼女は恥ずかしさで頬を紅で染め上げ、
そのパッチリとした大きな目を潤ませながら言った。
「漢には違いないね」
中途半端で申し訳ございません。
力尽きました。