テスト勉強会
「なんでテストってあるんだろうね?」
人気の無い生徒会室で僕はポツリと呟いた。
「貴方みたいなおバカさんが日々の勉強をサボってないかチェックするためよ」
彼女は僕の向かいに座り、勉強を見てくれていた。
「日々授業で勉強しているのに放課後まで勉強に時間を費やすのはナンセンスだとは思わない?」
僕はペンをクルクルと回しながら彼女に問いかけた。
「今日の授業で貴方は何を得たの?」
「フロアボスを倒した経験値、かな?」
「貴方って本当に救いようのないおバカさんね」
彼女は心底呆れた表情をしてため息を吐いた。
「そうですぅ!僕は救いようのないおバカさんですぅ!そう言う君は、さぞかしご立派なものを得たんでしょうねぇ!」
「美術の授業で書いた絵がコンテストに出展することが決まったわ」
「芸術の秋!」
僕の煽りをクールに流し、彼女はその艶やかな髪をかきあげた。
「遊んでないで勉強を進めたら?」
「はーい」
彼女に催促され、僕はひたすら問題を解いた。
しばらくの間、ペンが走る音と微かな吐息が空間を支配する。
ふと勉強を進めていた僕の脚に、心地好い滑らかな感触を得た。
何事かと思いを視線を机の下に向けると、
向かいに座る彼女がいつの間にか上履きを脱ぎ、
黒色のストッキング越しにその美しい足裏を僕の足へスリスリと擦り付けていた。
ズボン越しにも分かる生暖かい感触に、僕は変な声が出そうになった。
「ほら、どうしたの?早く続けたら?」
彼女は何でもないような顔をしながら、僕に対する悪戯は止めなかった。
僕はしばらく無言で勉強を続けていたが、
無抵抗な僕をいいことに、彼女の悪戯は徐々にエスカレートしていった。
彼女は僕の脚に対して下から上へ少しずつ焦らすように、その足裏を擦り付けて登っていった。
既にペンの音はせず、布の擦れる音と少しだけ荒くなった互いにの吐息のみが部屋の中に響き渡る。
脚に感じる彼女の足裏の体温は熱を帯びており、
一擦りする度に彼女の熱が僕の脚に刷り込まれているように感じた。
僕は勉強に全く集中出来ずにドキドキしたながら、徐々に脚の根元に近づく足裏の感触を全力で楽しんだ。
「手が止まっているわよ」
囁くように言った彼女の顔には悪戯っぽい笑みが浮かんでいた。
彼女の足裏は僕の太もも部分まで進んでおり、
僕の内ももを時には足先で甘く突ついたり、
時には足裏で優しく撫で上げたり、僕を焦らしながら刺激する。
僕は興奮し過ぎて言葉が出ず、早くその先へ、先へという思考が頭の中を支配していた。
「あら、難しい所で止まっているわね」
蠱惑的な時間は唐突に終わりを告げた。
彼女は僕の止まっている問題を見ると足を床に戻し立ち上がって僕の隣に立った。
散々期待をさせる焦らし方をしながらの彼女の行動に、僕は深い落胆と喪失感を覚えた。
「そんな顔しないの」
どんな顔をしていたか自分では分からないが、
きっとエサをもらい損ねた犬のような情けない表情をしていただろう。
「ここはこう解くのよ」
そう言って彼女は勉強を教えてくれながら、わざとらしく僕の机に座った。
黒色のストッキングに被われた張りのある太ももを僕の目の前に全面的に押し出してきた。
間近で見る彼女のストッキングに被われた太ももは、ストッキングの編み目が鮮明に見えた。
30デニールもない薄い黒のストッキングは彼女の陶磁器のような白い肌を引き立て、
唯でさえ美しい彼女の脚がより一層魅力的になっていた。
仄かに香る甘い香りと彼女から発せられる熱に、僕はもうクラクラだった。
「どう分かった?」
妖艶に微笑みながら彼女は聞いてくる。
「全く聞いてませんでした」
僕は正直に答えた。
「だと思った」
彼女はあっけらかんと笑うのだった。