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実写化映画
「漫画を実写映画化したのに面白かったね」
僕は映画を見終わり、彼女に話しかけた。
「そうね、テンポ良く見れて面白かったわね」
「役者さんってスゴいね、性格の入れ替わる役を見事に演じるんだから」
「確かにあの両極端な性格の役を演じるのは見事だったわね」
「君もキャラ変えてみる?」
「キャハッ!喉が乾いたのだぁ!」
彼女は普段の喋り声より数段高い声で、全然彼女のキャラに合ってない台詞を言った。
「ぶふっ!本気出しすぎ」
僕は思わず吹き出して笑ってしまった。
「貴方の番よ」
「チェケラッ!イェイッ!そこのスタバでどうだYOッ!」
「絶望的にセンスが無いわね」
「僕も自分でやって無いなと思った」
「俳優を目指すのは止めておいた方がいいわよ」
「そもそも志して無いよ!」
「それと紳士になる努力をした方がいいわね、
いつまで立たせるつもり?早くスタバまでエスコートして頂戴」
「辛口過ぎる!・・・お手をどうぞ、レディ」
僕は背筋を正し、彼女に手を差し出す。
「少しはキリッとした表情をしなさいよ」
彼女は苦笑いしながらも、僕の手をとった。