台風
「台風だぁ!」
そう言いながら教室に入ってきた彼女はずぶ濡れだった。
「そうだね、よく登校してきたね」
びしょ濡れになっている彼女を僕は見つめた。
「あれ?みんなは?」
彼女はキョロキョロと教室を見渡しながら僕に聞いてきた。
「今日は警報で休校だよ、連絡来なかった?むしろ僕がしたよね?」
「テヘッ、携帯見てない」
こつん、と彼女は自分の頭を小突き、テヘペロとか言っている。
「そんなことだろうと思ったよ」
僕は彼女の濡れて肌に張り付いたブラウスの胸部をガン見していた。
下着の色は紫であった。
彼女の巨乳を覆う紫色のブラジャーは、まさに巨峰のようで、秋の味覚の到来に、僕は季節を感じていた。
「傘ささなかったの?」
雨は猛烈な勢いで降っており、強風に煽られ横殴りに降っていた。
「風で吹き飛ばされちゃった」
窓の外が白く霞むほどの雨風に、僕はそりゃそうだなと思った。
「ホントよく来ようと思ったね」
僕は呆れながら言った。
「貴方に会えると思って」
彼女は照れたようにはにかんで笑いながら言う。
「僕も君なら来ると思って待ってたよ」
来るか来ないかも分からない彼女を待っていた僕も大概だと思う。
「くしゅんっ」
彼女は可愛らしく、くしゃみをした。
「冷えてきたぁ」
濡れたままの制服を着ているせいか、腕を擦りながら寒そうにしている。
「体操服に着替える?」
濡れたままの服装よりはよいだろう。
「体操服ないよぉ」
まぁ僕も持ってきてないのだが。
「じゃ、登校したでで悪いけど、帰ろっか?」
僕は鞄を持ち席を立つ。
「あー、寒いなぁーびしょびしょの濡れ濡れで寒いなぁー」
彼女は大袈裟に大きな声で何かをアピールしだした。
「このままじゃ家に帰るまでに風邪ひいちゃうなぁー」
両腕を胸下で組みあざとく乳を強調してくる。
「チラッチラッ」
彼女は僕の方を口に出しながらチラチラ見てくる。
「・・・台風が通りすぎるまで僕の家で休むか?」
僕がそう言うと彼女は待ってましたとばかりに目を輝かせた。
「いくぅ!」
こうして彼女は僕の家に来る運びとなった。
僕の家に帰る途中、傘はささなかった。
強風による横殴りの雨に傘をさしても無駄だったからだ。
台風により、てんやわんやしました。
今も停電中です。
なのでスマホから初投稿。
バッテリーが無いためここで投稿します。