落雷
「昨夜の雷はすごかったね」
生徒会室のイスに適当に座って僕は言った。
「そうらしいわね」
返ってきた彼女の答えはどこか他人事のように聞こえた。
「あれ?起きなかった?」
深夜に鳴り響いた雷鳴と昼前のように明るくなった不気味な雷光を彼女は実感しなかったのだろうか。
「それが全然気づかず寝ていたのよ」
彼女は少し困ったような表情をした。
「マジ?すごい音だったよ、2時くらいに飛び起きたもん」
あの轟音の中、気がつかずに眠っていたと言う彼女に、僕は意外に思った。
「そんなにすごかったの?」
彼女はキョトンとしながらも、驚いた表情で僕に聞いてくる。
「しばらく気になり過ぎて寝つけなかったよ」
僕は首をすくめて言った。
「そうだったの、朝からみんながそう言うものだから、気づかなかった私って鈍感なのかしら?」
彼女は少し恥ずかしそうに顔を背けながら頬をかいた。
「気にすることないんじゃない?人それぞれだと思うよ」
僕はあるべく明るい声を心がけて言った。
「でもみんな私が気づかなかったって言うと意外そうな顔をするのよ、私ってそんなに神経質っぽく見えるのかしら?」
確かに出来る女性の風格が漂う彼女はどこか神経質っぽく見えることもある。
「やっぱり、その長いスカートが原因じゃないかな?」
僕は彼女の学校指定通りの膝下まで長さのあるスカートを指差した。
「・・・そうかしら?」
彼女は何かを怪しむように訝しんだ目で僕を見てきた。
「きっとそうだよ!今日日イマドキの女子高生は膝上がデフォルトだよ!」
僕は拳を握りしめ力説する。
「・・・そうゆうものかしら?」
彼女はジト目になりつつも、ソワソワしだした。
「そうゆうものだよ!周囲に溶け込むにはっ、周囲に合わせる!みんなと同じようにすればっ、みんなと打ち解けられる!」
これは行けるな、と思った僕はここぞとばかりに押す。
「・・・それじゃあ、ちょっとやってみようかしら」
そう言って彼女は立ち上がり、スカートのウエスト部分をイジりだした。
僕は彼女に見えない所で小さくガッツポーズをした。
彼女の弱味につけこむ僕は悪いヤツだと思った。
「どうかしら?」
そう言って披露してきた彼女のスカートは、膝小僧が少し見えるくらいに短くなっていた。
「もうちょっと折った方がいいんじゃない?」
ゲスと化した僕は、彼女がどこまでお願いを聞いてくれるか試したくなっていた。
「ホントに?今でもスースーして落ち着かないのだけれど」
中途半端で区切りましたのは、力尽きたからです。
これら本番だったのですが・・・
再編集する際に加筆します。