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【チラシの裏】僕と彼女たちの小話  作者: 農民
高校生エッチなイチャ甘ラブコメ メイン
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夏休みの宿題が終らない

「なんで宿題ってあるんだろうね?」


閑散とした教室の机に向かい、終わらない夏休みの宿題と格闘しながら、僕はポツリと呟いた。


「それは貴方みたいなおバカさんが勉強をサボらないよう監視するためよ」


対面のイスに座り、文庫本を読んでいた彼女は、涼やかな長いキレ目でチラリと僕を見た後、呆れたように言った。


「夏休みのような長期休暇こそ、普段出来ない様々な体験に時間を使うべきだと思うんだ」


僕はペンをクルクル回しながら力説する。


「そうね」


彼女は視線すら寄越さずに相づちだけ打つ。


「だからこの夏休みの宿題のような普段でも出来る事、膨大な量の勉強を行う必要があるのだろうか?」


僕は腕を組み一人うんうんと頷く。


「夏休みは何してたの?」




「家でゲームしてました」




「貴方って救いようのないおバカさんね」


彼女は文庫本を閉じ、ジト目をしながら僕の方へ体を向けた。


「そうですぅー、僕は救いようのないおバカさんですぅー、そう言う君は、さぞかし立派な夏休みを過ごしたんでしょうねぇ?」


僕は唇を付きだし、ウザさ満載で彼女を煽った。




「イギリスに二週間、語学留学してきたわ」




彼女は僕の安い挑発に乗ること無く、美しい艷のある長髪をかきあげ言い放った。


「すげぇ」


僕はあまりにもスケールの大きさに、ぐうの音も出なかった。


「それで?口ばっかり動かしてないで、手を動かしたらどう?どこまで進んだの?」


彼女は身を乗りだし僕の宿題を覗きこんだ。


首を傾けた時にさらさらと流れる彼女の艷のある髪に僕は目を奪われた。


「いやー、この問題が分からなくて全然前に進まないよ」


僕は自分の不甲斐なさを誤魔化すために頭をかいた。


「まったく、教えるために私がいるのだから、分からないなら直ぐに聞いてちょうだい」


彼女は流れた髪を再度かきあげた。


「先生ぇ!ここが分かりませぇんっ!」


僕はペンで分からない問題を指した。


「あぁ、ここね。この問題はこの参考書のここを見れば分かりやすいわ」




参考書を指差す彼女の爪先は綺麗に整えられており、薄く目立たない程度にマニキュアが塗ってあり、上品な印象を受けた。




「ふむふむ、なるほど、分からん」


僕は彼女の上品に整えられた爪ばかりに目がいき、参考書の内容が全く頭に入ってこなかった。


「少しは考えなさい」


彼女は少し怒ったように僕のデコをその綺麗な指先で弾いた。




「ありがとうございますぅ!」




僕は彼女からのご褒美に身悶えた。


「馬鹿なこと言ってないで早く解いてちょうだい」


冷たい目で僕を見る彼女は少しキレかけていた。


「ちょっと待って、今から真剣に解くから」


僕は慌てて参考書を読み、問題を解きにかかった。


「・・・できた。これでどう?合ってる?」


僕は自信無さげに頭をかいた。


「見事に引っ掛けに引っ掛かってるわねぇ」


彼女はいっそ感心した風に言った。


「どこが間違ってるの?」


僕は素で分からずに聞いた。


「もう一度見直してみなさい、そうしたら気づくはずよ」


彼女は出来の悪い教え子を優しく諭すように言った。


「あー、ここか!・・・これでどう?」


問題をよく読むと確かに引っ掛け文になっていた。




「正解よ、やれば出来るじゃない」




そう言って彼女は微笑んだ。


よかった、ようやく彼女の笑みを見ることが出来た。


「やった!そうだよっ、僕はやれば出来る子だよ!だからもっと褒めて!」


僕は満面の笑みで彼女に言った。


「調子にのらないの、ほら、まだまだ残ってるわよ」


彼女は机をトントンと叩き続きをやることを促してくる。


「うへぇー、今日中に終わるかな?」


僕は残りのページ数を確認しウンザリした。




「それは貴方の頑張り次第よ、終わるまで付き合ってあげるから、頑張りましょ?」




彼女は駄々をこねる教え子を優しく諭すように言った。


「明日は女教師風の格好で来てくれたらヤル気出るかも」


僕は淡い期待をして彼女をチラリと見た。


「貴方ってホントおバカさんね」


彼女は呆れかえったのか、天を仰ぎそう呟いた。


「あ、スーツ持ってない?じゃあ黒のストッキングだけでもお願い!透け透けのやつで!」


僕は目を輝かせて彼女にリクエストした。


「馬鹿言ってないで、早く進めなさい」


彼女の冷たい眼差しを受けながら、僕は宿題を続けた。




当然、その日だけで終わるはずもなく、翌日も宿題三昧だった。


ただ彼女は僕のリクエスト通りに、薄い黒のストッキングをはいて来てくれていた。


チラチラ視界に入る誘惑の脚線美に、宿題は全然進まなかった。

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