強風とスカート
「スカートまくれてるよ」
「この暴風よ、いちいち抑えるだけ無駄よ」
僕が隣を歩く彼女に言うと、彼女は澄ました顔で答えた。
「確かに凄い風だね、でも慎みまで飛ばされたら、花の女子高生としてはどうかと思うよ」
「そこは下着で補っているわ。花柄レースの下着なの」
強風に煽られ、靡く長い髪をかき分けながら何でもないように彼女は言った。
僕は出来るだけ見ないようにしていた彼女の閃くスカートに、思わず目線をやった。
強風に舞う制服のスカートからは花柄レースの黒い下着がチラチラ見え隠れしていた。
セクシーランジェリータイプの透け透けで彼女の色白い肌も一緒に見えた。
「ちょっと派手すぎない?」
僕は思わず感想を述べてしまった。
「あら、見たの?エッチね」
彼女はからかうようにクスりと笑った。
「あ、いや、その・・・ありがとうございました?」
彼女は紅の唇をつり上げ妖艶に微笑む。
「なにそれ、もっと他になかったの?」
他に、と言われて僕は回答に困ってしまった。
「んー・・・僕は白の方が好きかな?」
返事に困った僕は、自分でもどうかと思う回答をした。
「清楚系が好みだったの?それは失敗したわね」
彼女は腕を組み、手をあごに当て何やら思案している。
ふと、対面から人が歩いて来た。
彼女はサッとした素早い動作でスカートを抑え、澄まして歩く。
今まで気にする様子はなかったのにいきなりどうしたのだろうか?
「なんで突然スカートを抑えたの?」
僕は不思議に思い彼女に聞いた。
「だって、他人に見られたくないんですもの」
彼女は張りのある唇の尖らせて言いながら、大きく一歩踏み出し僕の方を向いて振り返った。
「さっきまでは?」
「貴方だから、見せていたのよ」
振り向き様に舞ったスカートからは、花柄レースの透けた黒い下着がチラリと見えた。