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夕食後の愚行
「餃子が食べたい」
僕がそう言いだしたのは夕食後間もない時だった。
「あぁ、今テレビで特集してるのね。明日は餃子にする?」
「いや、今から食べに行こう」
「・・・なに?夕食足りなかったの?」
彼女はちょっとキレ気味に僕に聞いてきた。
「いや!十分に足りている!自分でも馬鹿な考えだとは思う!しかし!明日休みだからこそ、夜に馬鹿な事をしてみたいじゃないか!」
「貴方ってホント食べ物の事になると馬鹿になるわよね」
彼女は完全に呆れている。
正直、僕も自分に呆れていた。
「ねぇ~行こ~餃子食べてビール飲も~」
僕は彼女に甘える様に言う。
「一人で行ってきなさいよ」
彼女には冷たくあしらわれた。
「一緒に行こうよぉ~デザート食べてるだけでもいいからさぁ~」
僕はしつこく彼女を誘う。
「あぁ、もう、分かったわよ」
僕のしつこさに折れた彼女は出かける準備をする。
結局、二人で餃子を食べ、ビールを飲んだ。