150/169
初雪
「雪、降ってるけど大丈夫?」
僕は彼女に電話した。
『大丈夫じゃないわ、飛行機が飛ばないもの』
「えぇーっ!?そんなに凄いの?」
『窓の外が真っ白で先が見えない程よ』
「ふうーん、どうするの?飛べるの?」
『たぶん無理ね、落ち着いたら家に帰る事になると思うわ』
「へぇー、じゃあ明日から暇なんだ」
『日本に居るけど、別に暇ってわけじゃないのよ?』
「どこか一緒に出掛けようよ」
『今から空港まで迎えに来てくれるならいいわよ』
「こっちもそれなりに降ってるんですけどぉ・・・」
『なら、一人さみしく冬休みを過ごしてね』
「うへぇ、何とか行ってみるよ」
『合羽着てきた方がいいわよ』
「そんな状況の所に呼び出さないでよ・・・カイロも要りそうだな」