冬休み
「お邪魔するわよ」
数回のノックの後、返事を待たずに彼女はアポ無しで僕の部屋に侵入してきた。
「ちょっ、来るなら連絡してきてよ」
突然の来訪に僕は彼女にクレームをいれた。
「連絡ならしたわよ?幾らしても返事が無いものはしょうがないとは思わない?」
確かに携帯端末を確認すると、大量のメッセージと着信があった。
正直ちょっと怖かった。
「予定があって手が離せないとは思わなかったの?」
僕は反論した。
「どうせゲームに夢中になってたんでしょ?」
彼女は鼻で笑った。
「ばれたか」
「バレバレよ・・・それにしても汚い部屋ね、片づけたら?」
「もうちょいしたら大掃除するからその時にまとめてするよ」
「ずぼらねぇ」
「片づけてくれてもいいんだよ?」
「なら大量にあるゲームは捨ててもいいのよね?」
「それは困るな・・・そうだ、ケーキ食べる?」
「昨日の残りでしょ?」
「ばれたか」
「バレバレよ」
「せっかくだし食べてよ、そしてもうちょっと肉付けよ?」
「健康管理はきちんとしてるからいいわ」
「えぇー、もうちょっと肉付けようよ?」
「なんでよ?」
「ムチムチしたタイツって・・・良くない?」
「自分で履けば?」
「なんでだよ!それじゃあちっとも楽しくないじゃなか!」
「私が履けば楽しいの?」
「ルンルン気分になるよ」
「ムチムチになったら私が楽しくないじゃない?」
「なってみないと分からないじゃかいか!一回なってみよ?」
「私、小学生の頃はムチムチしてたの」
「マジで!?写真見せてよ!」
「機会があればね」