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【チラシの裏】僕と彼女たちの小話  作者: 農民
高校生エッチなイチャ甘ラブコメ メイン
146/169

クリスマス~イルミネーション~

幻想的な光で溢れている。




辺り一面、豪華絢爛と表現できるイルミネーションだ。




中でもライトアップされた巨大なクリスマスツリーは圧巻の一言に尽きた。




周りから聞こえてくるのは人々の楽しげな笑い声と、クリスマス音楽だった。




「何を考えているの?」




耳元で彼女の声がした。




「ごめん、ボーっとしてた」




幻想的なイルミネーションに意識を奪われていた僕は彼女の声で現実に戻ってきた。




「疲れちゃった?」




彼女は眉を下げ、心配そうに僕に尋ねてきた。




「そんなことはないさ、あまりにも見事だから魅入ってしまったよ」




僕はおどける様に肩を竦めた。




「確かに綺麗ね」




そう言って彼女はイルミネーションに顔を向けた。




煌びやかな光が彼女の横顔を淡く照らす。




「嗚呼、キレイだ」




今度は彼女の横顔に見蕩れ、僕は呟いた。




「ふふっ、どこ見て言ってるのよ」




彼女はくすぐったそうに笑った。




「ずっと眺めていられるよ」




彼女につられて僕も笑った。




「ずっとじゃ困るわ、この後どこにも連れて行ってはくれないの?」




彼女は悪戯っぽく笑いながら僕にもたれ掛ってきた。




「でも、まぁ、今だけは、もう少しこうしていましょう」




しばらく無言で寄り添う僕と彼女は、どちらからも離れようとはしなかった。

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