あと一週間で冬休み
「来週の今日には、もう終業式か・・・月日が経つのは早いね」
僕は生徒会室で佇む彼女に声をかけた。
「来週一杯授業はあるのだから、シャッキリとしなさい」
窓の外を眺めていた彼女は僕の存在に気がつくと、ゆっくりと振り向いて微笑んだ。
「来週なんて、もう消化試合みたいなもんじゃない?」
彼女の美しい笑みに、僕も釣られて微笑んだ。
「まぁ、テストが終わって気持ちが緩んでる空気はあるわね」
彼女は窓辺に腰掛け、腕を組んだ。
「みんな冬休みどう過ごすかの話しかしてないよ」
「そうなのよねぇ・・・私も色々誘われたけど、年末年始は毎年海外に居るのよねぇ」
「へぇ、ハワイとか?」
「欧州を転々と旅行するから、特にどこの国とかないわね」
「ブルジョア!」
「お土産は白い恋人でいい?」
「ねぇ、海外に行くんだよね?ヨーロッパに行くんだよね?」
「ほら、お土産って、荷物になるじゃない?」
「分かる、分かるよ?でも、もうちょっと何かあるじゃない?」
「安心して?
友だちにはちゃんと現地でしか買えないブランド物のチョコレートを買ってくるから」
「その枠に僕の分も入れてくれてもいいよね?」
「それだと面白くないじゃない?」
「僕はネタ枠かぁーいっ!」




