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【チラシの裏】僕と彼女たちの小話  作者: 農民
高校生エッチなイチャ甘ラブコメ メイン
133/169

書きたかったのは、ミカンを甘々に食べさせてくれる話

「ミカン剥いて」




「急になに?」




「綺麗にミカン剥いて」




「普通にイヤなのだけれど」




「ピンセットでミカン剥いて」




「すぐネットのニュースに影響される・・・貴方の悪い所よ?」




「流行に敏感と言って欲しいね」




「エンタメ系ばかりで社会系は全く見ないくせに」




「その事に関しましては見解相違と認識しておりまして、


事実関係を確認し、会談を重ねまして意見の擦り合わせを図りたいと考えております」




「適当な事言ってるんじゃないわよ・・・今開かれている国会の議題は?」




「・・・全国民、〈タイツ着用の義務付け〉かな?」




「その事が国会で審議されるようになったら日本は終わりよ?」




「そうだね、審議する必要もないね・・・


与党も野党もみんな仲良く肩を組んで、満場一致で可決されるに決まってるもんね」




「そんな国会中継、見てみたいわねぇ」




「あっ、法律違反してる!」




「貴方の頭の中だけの法律は現実世界では適用されないわよ?


それに貴方の理論に照らし合わせても、私はタイツを着用しているから問題は無くて、


タイツを着用していない貴方が法律違反になるのよ?」




「タイツ法第九条、


君のような美少女は三十デニール以下の黒タイツを穿かなければならない」




「寒いわよ」




「なお、<国家タイツ師>の許可を得た者はこのかぎりでない」




「なによ、国家タイツ師って」




「えぇーっ!ご存知無いぃっ!?錬金術師並みに有名なのにぃっ!?」




「貴方の中だけでね」




「実は僕も<国家タイツ師>の一人なんだ・・・人呼んで、〈鋼のタイツ師〉!」




「怒られるわよ?」




「あれは僕がまだ子どもだった頃、


無邪気にタイツと戯れていると、無慈悲な大人にタイツを奪われてしまった。


無知な子どもだった僕はタイツを求める余り、


タイツ師の中で禁忌とされている〈タイツ錬成〉を試み失敗に終わった。


ミシンを左足の上に落とし壊してしまったのだ・・・


その時、呟いた言葉が『持っていかれた・・・!』だった。


数年後、


立派に育った僕は最年少<国家タイツ師>に任命されるため総理官邸に赴いていた。


任命時、総理から胸にかけた懐中時計の事を聞かれた。


懐中時計には昔壊したミシンのパーツを中に入れていたのだ、


あの日の後悔を忘れないために。


その事を総理に話すといたく感激し、


僕の二つ名は〈鋼のタイツ師〉になったのだった」




「マルパクリじゃない、頭が痛くなってきたわ・・・


・・・もうミカンを剥いてあげるから静かにしてちょうだい」




「んん?ナニを剥いてくれるって?」




「豆粒ドチビの最年少<国家タイツ師>様は、


さぞかしアチラも小さいのでしょうねぇ」




「確認してみる?」




「ど・う・で・も・いいから、その手に持ったミカンを早く寄越しなさい」




「はぁーい」

昨日と今日に書きたかった話は、彼女たちにミカンを甘々に食べさせてもらう話でした。

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