勤労感謝の日
「勤労感謝の日だぁ!」
休日に自室で読書を楽しんでいると、彼女はノックも無しに僕の部屋に突撃してきた。
「僕たち学生にはあんまり関係無いよね」
僕は静寂の時間が終わりを告げた事を感じ、読んでいた本に栞を挟んだ。
「うぅっ、日々の過酷な労働を労い、今日は目一杯遊ぶぞぉっ!」
彼女はわざとらしく嘘泣きをしてから、腕を振り上げて陽気に笑った。
「だから僕たち、まだ働いてないよね?」
労働の尊さを知らない学生の身で、
彼女はどこからそのテンションの高さを引っ張って来ているのだろうか。
「最近アルバイト始めたんだぁ」
彼女は後ろ手に腕を組み、ニコニコとしながら機嫌良く言った。
「そうなんだ、知らなかった」
どんくさそうな彼女にアルバイトなど勤まるのだろうか、僕はそんな心配をした。
「お給料も良くて、割りの良いアルバイトなんだぁ」
彼女は微笑みながら話を聞いて欲しそうに、
自身の艶やかな髪をクルクルと手で弄っていた。
「へぇ、ちなみに何やってるの?
知らないオジサンに使用済みパンティを売ったりしてないよね?」
肉体労働にも頭脳労働にも向いていなさそうな彼女に、
僕は思わず彼女の魅力を120%活かせらるソッチ系の仕事を疑った。
「してないよっ!
色んなコスプレしてブラチラする動画をネットにアップするだけの、
健全なお仕事だよぉ!」
彼女は憤慨したようで、
その柔らかそうなモッチリとした可愛らしい頬をぷっくりと膨らませて、
プリプリと怒り出した。
「んん?健全?どの辺りが健全?」
彼女が怒り出すのは予想できたが、
意味不明な言い分を宣うとは予測出来ず、僕は困惑した。
「ちゃんとマスクもしてるから、身バレも無くて健全だよぉ」
彼女は胸の下で腕を組み、ドヤ顔で背筋を反らした。
「道徳の授業が必要ですねぇ」
僕はジト目になりつつも、
腕に下から持ち上げられた彼女のワガママに育った爆乳をガン見し、
不健全この上無いと思った。
「なんでさ!
可愛い衣装を来て、持てる魅力を存分に使う・・・
消費者は愛らしい私の姿に癒されて日々の活力を得て、私は自尊心とお金を得る・・・
まさに『WIN・WIN』な関係じゃないかなぁ?」
彼女は身ぶり手振りで烈火如くまくし立て、最後はドヤ顔で締めくくった。
「現代の錬金術師か・・・」
僕は彼女に呆れながらも、
需要と供給があればビジネスが成立するんだな、と変に感心した。
「それに私、今じゃちょっとしたアイドルなんだよぉ?
画面の向こうで幾ら手を伸ばし、熱望しようとも、届かない男子垂涎で憧れの私に、
直接ナマでこんな至近距離に接する事の出来る君は、
もっとありがたがったもいいんだよぉ?」
僕が感心した姿を見て、彼女は調子に乗ったのか、得意気にペラを回した。
「じゃあ、ブラチラして」
そこまで自慢気に語る彼女のブラチラに、僕は興味を引かれた。
「ぇ?・・・えっとぉ・・・今はぁ、ちょっとぉ・・・恥ずかしいかなぁ」
先程まであんなにイケイケだった彼女は急にしおらしくなり、
落ち着きなく視線をさ迷わせて、照れたようにはにかんだ。
「なんでだよ!
会話の流れてからして、今からストリップショーが始まる流れだったじゃない!」
今度は僕が憤慨して、焦らすだけ焦らした彼女に抗議した。
「私としては、君が感涙しながら平伏して拝みたてまくる流れだったんだけどなぁ」
彼女は困ったように柳眉を下げ、
血色の良く薄いピンクに彩られた艶やかな唇を尖らせた。
「おぉ、女神よっ!
矮小なるワタクシめにどうか御慈悲を与えて下さいますよう、
お願い申し上げ奉りますぅっ!」
彼女の張りのあるぷっくりとした唇に目を奪われた僕は、
憤慨していた気持ちなど一瞬で吹き飛び、
プライドなどなげうって拝み倒しながら彼女に縋りついた。
「そこまで言うならよろしいっ!愚民よっ、椅子になれぇっ!」
彼女は満足そうに鼻をフフンと鳴らし、片手を腰に当てて偉そうに宣った。
「ははぁっ!」
僕は瞬時に平伏し、四つん這いになった。
四つん這いになった僕の背中に、彼女はふんわりと優しく腰掛けた。
彼女のムチムチとした尻肉の感触がダイレクトに背中から伝わってくる。
「重くない?」
座ってから気がついたようで、彼女の声は若干震えていた。
「全然軽いよ!体重全部乗っけてる?」
彼女が座っているはずの僕の背中からは、まるで重みを感じず、
彼女の温かな体温も合わさって、羽根でも乗せているような気分になった。
「乗せてるよぉ・・・ホントに重くない?」
体重が気になるのか、彼女はしきりに声をかけてくる。
「本当に軽いよ、まるで妖精を乗せているかのようだ」
僕は彼女の憂いを取り払うために、陽気な明るい声を出した。
「ふふっ、なぁに、それぇ」
彼女のくすぐったそうな笑い声が聞こえてきた。
「本心さ」
僕は背中から伝わる彼女の感触に、頬が弛みきるのを抑えきれなかった。
きっと今の僕は、見るに堪えない表情をしているに違いないだろう。
「ふふっ、じゃあぁ・・・ご褒美あげるぅ」
そう言って彼女は立ち上がると僕の肩を掴んで起こし、膝の上に跨がってきた。
頭一つ分も距離が空いていない彼女の顔は、
照れたように微笑みながら伏し目がちだった。
「ちょっと大胆過ぎない?」
突然の彼女の行動に僕の心臓はドックンドックンと脈を打ち、
今にも飛び出してくるのではと思える程だった。
「こんな服だからブラチラは見せてあげられないけどぉ・・・
・・・ほぉらぁ、見てぇ」
彼女は慈愛に満ちた表情でゆっくりと顔を近づけ、
僕の耳元で甘く囁くと、自身の胸を付きだしてきた。
ハイネックのニットを来た彼女からは、確かにブラチラは望めないが、
ピッチリと張り付いたニットからは女性らしいホディラインがはっきりと見てとれた。
胸が突きだされた事により、彼女の爆乳は、はちりれんばかりに強調され、
意匠の凝らされたブラジャーの模様がニットから浮かび上がっていた。
彼女は興奮しているのか、
吐かれる吐息が荒くなり、頬に紅が走り、潤んだ瞳が非常にセクシーで、
僕に跨がった腰をモゾモゾと動かしていた。
彼女の興奮に呼応するかのように、
下半身が見えない程、たわわに実った爆乳は、ブラジャーの柄だけでなく、
その下の突起まで浮かび上がってきており、
彼女の興奮具合が手に取るように見てとれた。
「興奮してるの?」
僕は悪戯っぽく笑いながら彼女に問いかける。
「いやぁ、恥ずかしいよぉ・・・言わせないでぇ」
彼女は顔を真っ赤に染め上げ、
その美しい顔を伏せながらもゴロンと床に仰向けで寝転んだ。
寝転んだ時の衝撃で彼女の爆乳が、
これでもかと言うくらいプルンプルンとダイナミックに波打った。
細い腰から二つのバケツプリンが豪快にタップンタップンと波打つ様は、
圧巻の一言に尽きた。
ニットから自己主張する双丘の頂きは、
先程よりも高く、より肥大しているように見えた。
しばらくの間、互いの荒くなった吐息のみが室内を支配する。
彼女は恥ずかしげに片手の甲を唇に当て、
頬を紅に染め上げながら、
何かを期待するかのように潤んだ瞳を外側に流している姿に、
僕は抑えようのない劣情を覚えた。
「さ、せっかくの休みだし、出かけようか」
僕は痛くなる下半身を無視して立ち上がり、彼女から背を向けた。
「イクジナシ」
背後から彼女の身体を起こす布の音と、
唇を噛んだような恨めしい声が聞こえたが、
僕は聞こえていないふりをした。