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ピザの日
「ピザの日だぁっ!」
登校すると、既に僕の席に座り待機していた彼女が勢い良く立ち上がり宣った。
「語呂感まったく無いけどね」
僕は机に鞄をかけながら言った。
「ピッツァの日だぁっ!」
「それ言いたかっただけでしょ」
「ピッツァ食べに行こぉ」
「どこに?」
「食堂ぉ」
「あぁ、食堂の近くにアンパンマン号みたいな車が来てたね」
「そうそう、
なんか石窯で焼いた本格イタリアン・ピッツァを食べさせてくれるらしいよぉ」
「うちの学校、食べ物に関して並々ならぬ情熱をかけるよね」
「お金の無い学生の身で、
憧れのお店の本格ピッツァが格安で食べれるんだから、ありがたい話だよねぇ」
「なんかこう話してたら、ピザ食べたくなってきた」
「ノンノン、ピザじゃないよ?ピッツァ」
「ぴっつぁ」
「ちょっとおしいかな?リピート・アフタ・ミー、ピッツァ」
「ピッツァ」
「そうそう!上手だねぇ!」
「そこはかとなく馬鹿にされている気がする・・・」