110/169
航空祭
「戦闘機、格好いいね」
今日は自衛隊基地で航空際が催されており、
入場無料との事なので僕は彼女と二人やって来ていた。
「私は少し怖いわ」
「気持ちは分かるよ、こんなにスゴい音だとは体感するまで思わなかったね」
「何と言うのかしら、
この独特の耳をつんざく悲鳴のような金切り音は、
どこか小学校で習った、戦争の記憶を思い起こすわ」
「そういう見方も出来るね、どうする?もう帰ろうか?」
「貴方はまだ見たいのでしょう?」
「正直に言うと、もうちょっとみたいかな?」
「なら貴方の気が済むまで付き合うわ、せっかく来たんだもの」
「ありがとう、ブルー・インパルスが飛んでいる所を見たかったんだ」
「私にはどれも一緒に見えるわ」
「まぁ、僕も詳しくは無いんだけど、何となく、名前が格好よくない?」
「そのフワッとしてる感じ、貴方らしいわ」
「確実に貶めてるよね?」
「あら、食べ物が売っているわ、何か食べる?」
「食い物で誤魔化すつもりか・・・」