クリスマス~準備~
「脚、すごく痛いんだけど」
「昨日何してたの?」
「看板持って一日中立ちっぱなし」
「アルバイト?」
「そう、元々予定になかったんだけど、
友達に代わって欲しいってお願いされちゃってね」
「ふーん、お給料は貰えるの?」
「代打の侘び料を含めて貰ったよ」
「良かったじゃない、今度何かご馳走してもらおうかしら」
「残念、使い道はもう決めてあるんだ」
「どうせゲームに使うんでしょ?」
「いいや、貯めておくよ」
「あら意外、いつもなら電機屋さんに直行するのに」
「ちょっと欲しいものがあってね」
「あぁ、年末商戦はゲームが一杯発売されるものね」
「そうなんだよー、
ちなみにクリスマスも近いけど、サンタさんにお願いしたい物ってある?」
「そうねぇ・・・グリーンランドの雪、かしら」
「あのぉ、身近なサンタさんに実現可能なお願いにしてくれないですかねぇ」
「非力なサンタさんねぇ、そんな事で子ども達に夢を届けられるのかしら?」
「君の下にやって来るサンタさんは、君だけに夢を届けたいのさ」
「懐の狭いサンタさんねぇ」
「あれ?ここは胸キュンする所だよ?」
「ま、精々楽しみにしてるわ」
「寝る前に吊るすのは、靴下じゃなくて、黒ストッキングがいいらしいよ」
「私の所に来るサンタさんは随分と注文が多いわねぇ」
「あ、モチロン20デニール以下の透け透けのやつね!」
「クリスマスなら白の方が趣があるんじゃないかしら?」
「ヒュウーッ!
それはエキセントリックなナイスアイデアだ!
君も段々と分かってきたねぇ!」
「ストッキングは伸縮性があるから、たっぷりと入るわよ?」
「ストッキングには夢が詰まっているものだからね、
君への想いで溢れかえると思うよ」
「それはきっと、邪な想いでしょうね」