平和な争い
夕陽が海原を赤く染める頃。
「ふぅ、今日はこんな処で止めておくか…。」
甲板に置かれた木箱の上に座るアスティアの膝の上、抱き抱えられるようにして休み休み風を起こしていた櫻は肩を大きく動かし息を吐いた。
「おつかれさま、サクラ様。」
背後からギュッと抱き締め耳元で囁く甘い声に、櫻の表情は綻ぶ。
「何もアスティアまでずっと付き合う必要は無かったんだよ?」
そう言って肩越しにアスティアの頬に手を添えると、
「いいの。ボクがサクラ様と一緒に居たいんだもん。」
と、その手に頬擦りをして幸せそうに瞳を細めた。
「やぁ、お疲れ。随分仲が良いね。」
そんな二人の元にパトリシアがやってきた。
「ふふ、まぁね。」
「お嬢ちゃんのお陰で随分距離を稼げたよ。明日も頼めるのかい?」
「あぁ。どうせやる事も無い身だからね。手伝える事なら協力するよ。」
「それは助かるよ。さ、それじゃ飯にしよう。…一応聞いては居るけど、本当に二人分だけで良かったのかい?」
櫻を抱き締め幸せそうな表情を浮かべるアスティアに視線を向け、パトリシアは心配そうに言う。
「あ、うん。ボクとミコトは…自分達用のを別に用意してあるの。だから気にしないで。」
「…そうなのかい? そういう事なら良いけど、好き嫌いしてると強い身体になれないよ?」
「えへへ…心配してくれてありがとう。」
少し困ったようにはにかむアスティアに、パトリシアは眉尻を下げて微笑む。
「まぁそういう事なら良いさ。ほら、食堂においで。」
手招きして背を向けたパトリシアに櫻達は頷き、木箱の上から降りると仲良く手を繋ぎその後に続いた。
食堂へ到着すると、中には既にカタリナと命が居り、その他に既に食事を始めている船員が3名。どうやら交代で食事を摂っているらしい。
「お、お嬢。お疲れさん。何だかアタイよりお嬢の方が働いてるみたいで悪いね。」
そう言って隣の席をポンポンと叩いて見せるカタリナの傍まで歩み寄り席に着く。
目の前には既に食事が用意されており、矢張りと言うべきかそれは魚料理であった。だが見るとその中に粗汁のように、他の料理で使った魚の余った部位を煮込んだ茶色い汁物が有る事に気付く。
(これは…まさか味噌汁?)
そう思い顔を近付けるとスンスンと香りを嗅いでみる。だが、
(う~ん…似てる感じはするけど矢張り違うか…。)
味噌に似た匂いでは有るが、味噌の香りに何か青臭い植物の匂いが混じったような奇妙な香り。少々期待していただけに多少ガッカリとした表情を浮かべてしまうと、隣で様子を見ていたアスティアが櫻の顔を覗き込む。
「サクラ様、大丈夫?」
余り見た目の宜しくないソレに、アスティアは櫻が見た目に敬遠していると思ったのか心配そうに耳打ちした。
「ん? あぁ、問題は無いよ。初めて見るものだからちょっと味が想像付かなくてね。」
櫻はそう言って早速そのスープの入った底の深いボウル状の器を手に持ち口を付けてみる。そして恐る恐る少量を啜ってみると…。
(…!)
驚いたように目を見開き、続けて具材に手を付ける。
(おぉ…味噌汁の深い味わいとまでは行かないが、これはイケる!)
その味は微妙に苦みを含む青臭い味が混じってはいるものの、櫻が良く知る味噌汁に近いものであった。最早口にする事も出来ないと諦めかけていた櫻にとって、この味の出会いは正に僥倖とでも言える程。他の料理には目もくれず一気に飲み干し、『ぷはぁ~』と満足そうな息を吐くと、周囲に居た皆は呆気に取られたようにその様子を眺めていた。
そんな様子にハタと気付いた櫻は、少し恥ずかしそうにソッと器を置くと他の料理にようやく手を出し始めた。
「はははっ、そんなに美味かったかい?」
櫻達の向かいで一緒に食事をしていたパトリシアは、櫻の様子に満足そうな顔を見せ笑う。
「あ、あぁ…。このスープの味、これはどうやって出してるんだい?」
少し頬を赤らめながらも味の出処を知りたい櫻はそれとなく聞いてみる。
「これは『ディズン』の実の中身を磨り潰したモンだよ。」
「『ディズン』?」
「そ。西大陸の、主に北東部で採れる植物でね、この位の実が生るヤツさ。」
そう言ってパトリシアは自らの拳をグッと固めて見せる。
「熟すと外皮はカラカラに堅くなっちまうんだけど、その頃になると中身は熟れて濃い味わいになるんだ。それがまた結構日持ちするんでね、西大陸と中央大陸を行き来する船乗りは結構使ってるもんさ。」
「へぇ~…。」
(そうか、この世界じゃ世界中で流通網が出来上がってる訳も無いし、隣り合っているとは言っても大陸を挟むと物流も全く変わる。グレイグやキースの船でこの味に出会わなかったのもそういう事なのか。)
櫻は頭の中に大まかな世界地図を思い浮かべ、納得するように小さく頷いた。
「何だ、気に入ったのかい? これから行く『チョナツ』近辺ではメジャーな材料だし、そんなに高いモンでも無い。欲しかったらアッチに着いた時にでも買ったら良いよ。」
「あぁ、そうだね。これは是非とも欲しいもんだ。」
そう言って満面の笑みを浮かべる櫻に、アスティア達も嬉しそうに微笑むのだった。
その夜。思いがけぬ懐かしい味に満足し、ぐっすり眠る櫻の意識に語り掛ける声が有った。
《やっほ~。サクラ、元気ぃ~?》
(お…この声はアマリか。)
その声の主は、オーシンの町で別れて以来の海の神、『アマリ』のものであった。声だけの筈が櫻の脳内にはその美しい女神の姿がありありと映し出される。
《あぁ、元気でやってるよ。久しいねぇ、お前さんも元気そうで何よりだ。この近くに来てるのかい?》
《えぇ、貴女と別れた後に中央大陸の南をぐるっと回って来た処なの。そしたら丁度貴女の神気が在ったから、ちょっと挨拶をね♪》
《態々済まないねぇ。あたしはまだ他の神の神気とやらをそこまで感じ取る事が出来ないもんだから、気付かずに通り過ぎてしまう処だったよ。》
《ふふっ、気にしないで。それより貴女、今は火の主精霊に向かってるんでしょう? 旅は順調みたいね。》
《お陰様でね。植物の神や魚の神との顔合わせも出来たし、行く先々で色んな経験をしながらの楽しい旅さ。》
改めて今までの旅路を思い返すと、不思議と楽しい事ばかりが思い起こされ、櫻の寝顔は微かに微笑みを浮かべた。
《それは良かったわ。それじゃ私もその楽しい旅にちょっとだけお手伝いしてあげる。》
《手伝い?》
《以前にもしたけど、その船の通り道上に在る『穴』を塞いで行ってあげるわ。》
『穴』…それは世界の『表』と、人類に『魔界』と呼ばれる『裏』を隔てる『壁』に出来た隙間だ。『表』の生命からは視認出来ないその『穴』から穢れた魂の成れの果てである瘴気が漏れ出で、生物に取り憑く事によって魔物が発生する事から、その存在は世界にとっての脅威でもある。
《おぉ…それは有り難い…が、聞いた話によると『穴』は塞いだ分だけ他の場所に開く可能性が有ると言うじゃないか。余り無闇に塞いで今人類が町を築いている場所に開くような事になるのも困るねぇ。》
《あ、そう言えばそうね。…それじゃ貴女が大陸に到着するまで魔物がその船を襲わないように護ってあげる事にするわ。》
《え? 良いのかい? あたしも船の速度を出すようにはしてるが、数日は掛かる船旅だよ?》
《あら、別に構わないわよ。私だって別に急ぎの用なんて無いしね~。たまにはこうして地上の生物の様子を窺いながらのんびりするのも悪くは無いわ。》
何処かウキウキとした声色に櫻も思わず笑みが零れる。
《そうかい? そう言って貰えると有り難いねぇ。それじゃお言葉に甘えて頼らせて貰うとしようかね。ふふっ…海の神様に護られての航海とは、これ以上の安心感は無いね。これなら何のトラブルも心配せずに向こうに辿り着けそうだよ。》
《ふふふ、任せて! 私が護る以上、海のトラブルなんて絶対に遭わせないんだから♪》
こうして最上の安心を得た櫻は、アマリと別れてからの旅路を語り聞かせながら夜を過ごしたのだった。
だがトラブルというのは何も魔物や自然等の外部に起因するとは限らない物。
「さぁ~て、今日も元気に風を流すか。」
朝食を終え一旦部屋へ戻り、アスティアの吸血を済ませた二人は仲良く甲板へと上がった。すると、
「何だコラ!? やんのか!?」
「あぁ!? 船乗り舐めんじゃねぇぞ!?」
という賑やかな声。
見れば船員達に輪になって囲まれるようにして、一人の船員と何やら口論をしているのは何とカタリナだ。
「おいおい、一体何の騒ぎだい?」
輪の外からその様子を眺めていた命の傍まで歩み寄ると、
「あ、ご主人様…申し訳有りません、私にも何が起きたのか把握出来ておりません。突然の事でしたので…。」
と困惑気味の答えが返って来た。
輪を作る船員達はカタリナ達の様子をまるで催し物のように囃し立て、誰も止める様子が無い有様。
(まぁ娯楽の無い船の上だしな。他人の喧嘩は良い余興か。)
やれやれと呆れたようにそんな様子を眺めていると、遂に二人は互いの胸倉を掴み始めたではないか。このままでは殴り合いに発展し兼ねない。流石に止めるべきかと櫻が一歩を踏み出した時。
「おいおい、楽しそうじゃないか? 一体何の騒ぎだ?」
その声にその場に居た全員が視線を向ける。そこに居たのはパトリシアであった。
「あぁ船長。丁度良い処に来てくれた。」
櫻は天の助けとばかりに安堵の息を吐く。しかし、
「サッサと決着着けて仕事に戻れよ? ダラダラ長引かせたら承知しねぇからな。」
との言葉を残して背を向け、船内へと姿を消してしまったではないか。
「なっ…。」
伸ばし掛けた手も行く先を失い、呆気に取られながらその背中を見送った櫻。隣でアスティアもポカンとしていると、二人の背後から再び声が沸き上がり始めた。
振り向くと、再び気を取り直したかのように二人が胸倉を掴む手に力を込め始めたではないか。更には空いた手は握り拳を固め、今にも飛び出しそうだ。
流石に加減はするだろうが、拳闘大会で見せたあの殴り合いの記憶もまだ新しいカタリナの力を知る櫻は慌てて輪の間に身体を潜り込ませる。
「ちょっと待ちな!」
突然の子供の声に再びその場に居た全員が視線を向ける。
「何だい嬢ちゃん、良い処に水を差さないでくれないか?」
興が削がれたという風にあからさまに表情に出る船員達。そんな周囲の反応を無視して櫻はカタリナに呆れ気味の視線を向けた。
「一体何が原因でこんな事になってるんだい?」
「いや…お嬢、これは…。」
カタリナは気まずそうに視線を逸らし口籠る。するとカタリナの胸倉を掴んでいる船員が、
「お嬢ちゃん、これはアタシとコイツの間の問題だ。主人か何か知らないがお嬢ちゃんにコイツの喧嘩を止める権利は無いよ。」
と、カタリナを庇うような事を言い出したではないか。
ジッとカタリナを見つめる櫻。するとカタリナも申し訳ないという風に苦笑いを浮かべながらも、パチリとウィンクで何かを訴えるようだ。
『はぁ~…』と、櫻は大きく肩を揺するようにして長い溜め息を漏らすと、
「分かった。何が原因かは聞かないよ。」
と諦めたように首を横に振る。
「だけど、殴り合いは見逃せないよ。やるならもっと健全な勝負にしな。」
「「健全?」」
櫻の言葉に掴み合う二人の声が揃う。その言葉に、勢いで言った櫻も何か手は無いかと周囲を軽く見回すと、甲板に丁度良さげなロープが在る事に気付いた。
「そう。お前さん達、『相撲』って知ってるかい?」
「「『スモー』?」」
今度は辺りを取り囲む船員達までが声を揃えた。
(やっぱりこの世界に有る訳無いよなぁ…。)
周りの反応にさも当然というように櫻が小さく頷く。
「そう。ルールの有る『勝負』だ。アスティア、ちょっと手伝っておくれ。」
櫻はそう言ってロープの元へと歩み寄ると、カタリナ達を囲っていた船員達の輪の外周を囲うようにソレを引っ張り円を描いた。
(大きさは適当で良いだろう。)
こうして簡易的な土俵を作り上げた櫻は、アスティアをちょいちょと手招きすると、軽く立ち位置を説明し互いに向かい合った。
「この円の中でこうやって互いに対峙してね…。」
そうして櫻は軽くルールを説明する。
まわし処か下着も存在しないこの世界では、流石に相撲を完全に再現する事等出来ない。そこで変則的且つ解り易い基本ルールとして『足の裏以外が地面に着いたら負け』という事を最初に伝えた。
そのうえで『輪から出ても負け』『拳で殴るのは禁止』『相手の姿勢を崩す為の張り手や突っ張りは許可』『飽くまでも相手の身体を地面に着ける事が目的』という事を重点的に伝えると、試しにとアスティアと軽く組み合って見せる。
櫻はアスティアの身体を優しく誘導しながら、勝敗の状況再現や軽いテクニック等を披露し、カタリナを始めとする船員達も興味深げにその様子に見入っていた。
「…とまぁ、大体こんな感じのルールだ。」
「はっ、何だ、簡単そうだな。」「地味でつまらなさそうだね。」
櫻の説明に船員達は鼻で笑うように言う。
(ふっ、まぁ傍から見ただけなら簡単そうに見えるだろうねぇ。)
そんな反応も予想していたという風に櫻は薄ら笑いを浮かべた。そして土俵の中から取り巻きの船員達を追い出すと、カタリナと相手の船員の間に立つ。
「さて、それじゃ見合って。」
櫻が突然に言い出した言葉に二人はきょとんとした様子で互いの顔を見合わせると、どうしたものかと櫻へと視線を移した。
(あぁ…そりゃそうだよねぇ。う~ん、どうせゴッコみたいなモンだし、ここは解り易さ重視で良いか。)
「えーっと…互いにぶつかる覚悟と態勢を整えて、あたしがこの手を下げたら開始だ。」
そう言って手刀のように片手を軽く上げる。二人はそれに理解の頷きで返すと、いよいよ互いの視線がぶつかり各々に身構えて見せた。相撲の構えとは似ても似つかぬ両手を軽く上げて肩幅に構えるスタイルでは有ったが、その様子に櫻は小さく頷くと、
「開始!」
と声を上げ、手刀を振り下ろす。
合図と同時にカタリナと船員はダッと前へ飛び出すと互いの肩を掴み合い、力任せに相手を倒そうとする。互いにグイグイと前後左右へ力を掛けてはそれに抗う。
(何だかコレじゃ相撲って言うより柔道だね…。)
「ほらほら、足元がガラ空きだよ。」
「「え?」」
櫻の声に二人が揃って間の抜けた声を漏らし互いの足元に視線を落とすと、ハタと思い出したように今度は足を引っ掛けてバランスを崩す戦法を試し始めた。
(ははっ、益々柔道になって来ちまった。まぁどっちも健全なスポーツだし、互いに決着を付けられれば良いんだから、余り拘る必要も無いか。)
見ると自然と互いの襟元や二の腕を掴むようにしながら足を崩そうと躍起になる姿は殆ど柔道だ。だがそんな中でも時折突っ張り等が飛び出す辺りに櫻も面白くその光景を眺める。
「くっ!」「このっ!」
時間にしてみればまだそれ程も経っていない筈。しかし二人の息は徐々に上がり、足元にふらつきが見えて来た。そして船員に一瞬の隙。身体を支え続けた膝に限界が来たのか、カクリと折れた瞬間にカタリナの外掛けのように掛けた足が上手く入り体勢は一気に崩れた。
『ドタンッ!』と甲板に倒れた互いの身体。ほぼ同着に見えたその瞬間、だが僅かに先に着いたのは船員の方であった。
二人は半身が重なるように倒れた姿勢からカタリナが転がり船員の横に横たわると、荒い息に胸を大きく上下させながら互いの顔を見合わせ、ニッと歯を覗かせて笑う。
その姿に蟠りのような物は見受けられず、櫻はホッと安堵の息を漏らした。
「何だ、だらしないね。それでも海の女かい。」
「何だって? だったらアンタがやってみなよ。見た目以上にキツいよ、コレは。まるで荒れた海の上で何にも掴まらずに甲板の上で立ち続けるみたいに足腰に来るんだ。」
周りで見ていた船員達の言葉に、勝負をした船員はハァハァと息を荒くしたままで身を起こした。すると周囲に居た船員達は顔を見合わせると何と無しに土俵の中へ足を踏み入れ、自然と二人が向かい合う。そしてまた他の船員が行司役を買って出ると勝負が始まった。
何時の間にか周囲には更に二つの土俵が出来上がっており、好奇心旺盛な船員達による取組が始まっていた。
それから2鳴き程もした頃、甲板の上には息も荒く満足気に横たわる女達の姿が在った。
「よ~ぅ、お前ら、楽しそうじゃねぇか?」
その声に甲板に倒れたままで皆が視線を向けると、そこには腕組みをして不敵な笑みを浮かべるパトリシアの姿が。
「あ…ボ、ボス…。」
甲板に伸びたままで船員がパトリシアに顔を向けると、気まずそうな声を漏らす。
「お前ら! そんなに元気が有り余ってるならサッサと持ち場に戻りな! グズグズしてるヤツは海に放り込むよ!」
大きな怒声が甲板に響くと、今まで息も荒く横たわっていた船員達は飛び起きるようにして立ち上がり、蜘蛛の子を散らすように姿を消した。
「ほ~…物凄い迫力だね…。」
感心する櫻の元へパトリシアがツカツカと歩み寄る。そして、
「お嬢ちゃん、面白い遊びを教えてくれた事には感謝するけど、仕事の邪魔はしてくれるんじゃないよ?」
と眉間に皺を寄せた顔をグイッと近付け、櫻の額を指でピンと弾いた。
「ははっ…済まん済まん。まさかこんなに盛り上がるとは思わなかったもんでね。」
思いの外痛かったデコピンに額を摩ると、
「ほら、今日も風を送ってくれるんだろ? しっかり仕事をしてくれたら美味い飯が待ってるよ、気張りな。」
「あぁ。期待してるよ。」
互いにニッと笑みを浮かべ、各々の役割へと向かうのだった。