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特異点

2話を3話に繋がるような形で若干修正しました。

長い手紙はひとまず置いといて。

(一応は読んだよ。一応ね。)


また外に出てみる。


「やっぱり近くに人なんか住んでないんだよなー…」


見えるのは大自然だ。

この山頂の洞窟からは絶景。


そういえば、いつ以来だろうか。

こんな自然一杯の景色を見たのわ。

旅行なんて久しくいってなかったからね。


「うぉぉおーーーー!」


大自然を駆け抜けていく。


「気持ちいいーーーー!はやーーーい」


ん?俺早過ぎやしないか?

景色がとんでもない早さで通り過ぎていく。

ちょとっちょっと…


「ストーーーップ!!!」


ズザザザァ―――――


「止まらねぇ!!!うわっ木が!!!」


バキッ

バターン


「ふぅ、やっと止まれた。」


後ろを振り向くと自分が踏ん張ったせいで、

土が50M以上に渡って抉れている上に、

ぶつかった大木は折れているではないか。


「…何事かな?」


いや、1人で冷静ぶっても仕方ない。

この状況は手紙に書いてあった内容の事か?

賢者ですら何が起きるか分からないが、

世界と世界の移動による反動で

《世界間の特異点》

がいくつか体に生じると。



特異点って

異常に足が速い事?

んー体が頑丈過ぎる事かな?

あと他には…


試しに近くで一番ぶっとい大木を

ぶん殴ってみた。


バッコ―――ン!!!


「…何事かな?」


いやいやいや。根元からぶち抜けとるがな。


バコーー!

ベキッ!

バッコーーン!

ドカッ!



「いやいやいや…」


…は!

きっとこの世界の大木や岩石は脆いんだ!

世界間の特異点だかなんだか知らないが、

いくら何でも手がちょっとヒリヒリするくらいで、

岩が粉々になったりはしない。

そうに違いない。


もしや賢者め、俺が異世界人だからって

びっくりしないように特異点とか、

意味不明な事をわざわざ書いてくれたんだな。

君の世界と違うよって事だろう。


んーこの世界にボクシングチャンピオンがいるなら、

パンチの風圧で岩を粉々にするのだろうか。


それにしても危ない。

自分が凄いと勘違いする所だった。

サラリーマンになる時にそういった勘違いは

捨て去ると決意したのに、

あのじぃちゃんにはめられる所だったわ。


けど、ふと僕は思ったのだ。

ジャンプしたらどうなるのだろうとね。


…やってみるか。


踏みこんで…。幅跳びのようにして。

ベコッベコッ


跳ぶ!

バフーーーーーーーン


「うぉぉぉおおおおーーーーーーー」

高すぎる!高すぎるぞ!

遠くにある小さな山くらい飛んでるよね?

飛んでるよねーー!!


「落ちるーーーーー!!!」


ズガガガガーーー


「ぶは!」

「いって…くない。」


そう全く痛くない。

自分が通った、後ろ土はまたえぐれており、

木々達が悲惨な姿になってるのにだ。


さすがにこれは…


「違う違う。この世界の重力がね。

きっと凄く軽いんだ。」

なるほど。危ない。

また勘違いする所だったぞ。

ラノベみたいな特別な能力が与えられた設定を

考えかねない程のジャンプ力だったよ。


じぃちゃん、意味分からない説明ばっかりじゃなくて

この辺の常識の違いを書いといて欲しかったなー

この世界に呼ばれたのが、

俺みたいに捻くれものじゃない

純粋無垢な高校生とかだったら勘違いしちゃうよ?

この世界の人に粋がって俺は凄い力がある

なんて自慢なんかしたら生きていけないよ。

どこの世界でも自分より凄い人は一杯いるんだから。


まぁ、死んじまったじぃちゃんに説教垂れるのも

なんだけどさ。


よし、まずは人を探して

このおかしな現象からくる不安を解消しよう!

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