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Story of the strange past life  作者: emiru
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Section2

前世の記憶を思い出してから1年くらいたったときのことだった。

それまで俺は一年間、自分でもどうしていいのかわからなかったので、とうとう両親に打ち明けることにしたんだ。

「あのさ・・・」

「ん?なに?」

「俺、前世の記憶あるんだけど…」

「なに?どういうこと?」

「いや、だから前世の記憶があるんだってば!」

突然話しかけたので親は最初、わけのわからないような顔をしていた。

だって自分の子供がいきなり「前世の記憶があるんだけど…」何ていうのだから。

混乱してもおかしくない、むしろ当然だ。

「あんた、そういうこというんじゃないよ?」

「でも、本当なんだって!」

俺は泣きながら本当なんだと叫んでいた。

だって本当なのだから。

その後も俺は親に信じてもらうために話をしたが、その日は結局母さんの「もう寝なさい!」の一言で終わり。

父さんはずっと怖い顔をしてた。


次の日朝起きたら、平日で学校あるのに両親に病院に連れてかれた。

もちろん精神科だ。

俺もまさか、そこまでになると思ってなかったからそのときになって初めて言ったことを後悔した。

昨日、あんな事話すんじゃなかった、って。


病院のカウンセリングの先生は女の人だった。

先生はきれいな人でだった、香水のにおいが少しきつかったけど。

最初は先生のほうから語りかけてくるような口調で話しかけてきた。

「学校でいじめられてるの?」

「いや、そんなことはないです…」

「先生は大丈夫だから、悩んでること話してごらん?」

最初はそんな会話ばっかりで、うんざりするほどだった。

もちろん、俺は精神科の先生には自分のことなんて何一つ話そうとは思わなかった。

というより、話す気になれなかったんだ。

そのうちしばらく話が進んでいき、先生はこんなことを言った。


「あんまりお父さんとお母さんを困らせたらいけないよ?」


俺はその言葉を聞いて、いろんな気持ちがあふれてきた。

俺だって好きでこんなんになったんじゃないとか、何にもわからないくせに、とか思ってつい一言言ってしまった。

「そうやってわかった振りするんですね…」

「え?」

「別に先生にわかってもらえるなんて思ってないからいいですよ」

先生は驚いたような、戸惑いの顔をしながら俺の話を聞いていた。


そこでカウンセリングは終わった。

というより、俺が勝手に出て行って終わらせたんだ。

出てきたところで親は相変わらず心配そうな顔をしていた。

そして親が今度は先生に呼ばれて、俺は部屋の外で一人ぼっち。

親が面談室から出てきたときは、かなりまずいと思った。

母さんは泣いてるし、父さんは相変わらず怖い顔してる。

そして俺は何も知らされずに帰ることになった。

帰りの車の中ではみんな無言で、車の中で朝と同じこと思った。

「やっぱ言わなきゃよかった」って。

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