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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
仙台帰省・宮城の旅5

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杜のくまさん

 ブウウウン!!


 草刈り機の音で目が覚めた。


 就寝前に言われた通り、衣笠家の朝は早い。


 瞼を開き、枕元に置いた腕時計は5時55分を表示していた。立ち上がってカーテンを開けると、空はまだうっすら暗い。曇っているせいもあるだろう。


 酒が抜けず、頭がガンガンしている。やはり飲み過ぎたようだ。しかもまだ床に就いて2時間少々。明らかに睡眠不足だ。


 庭を見下ろすと、お祖父さま、お祖母さま、その孫娘が草刈りをしている。


 衣笠さん、なんてタフなんだ。彼女は酒の抜けが早いのだろうか。


 そして、3人のそばをやや大型の黒い動物が一頭付いて回っている。


 あれはおそらく、ツキノワグマだ。


 行政に内緒で飼っているのだろうか。クマは3人を襲う気配などまったく見せない。


 3人とも広い庭をそれぞれ分担して手際よく草刈りをしている。畑に隣接する右端のフィールドを刈る孫娘はクマをあやしながら片手でブルンブルンと草刈り機を振り回している。危ないな。


「わあああっ!!」


 言わんこっちゃない。何かにつまずきバランスを崩した衣笠さんは草刈り機に振り回されている。草刈り機は間もなく彼女の手を離れ、ヒュンと宙を舞った。そばのクマさん、驚き逃げる。命からがら猛ダッシュ。


 一方、衣笠さんは付近に設置されたポリバケツにズボッと上半身を突っ込み、脚をバタバタさせている。あれには畑の堆肥たいひにするための生ごみが入っているのだろう。


 まずいな、このままでは窒息してしまう。しかしまったく構わないお祖父さまお祖母さま。きっといつものことなのだろう。


 けれど正直、なんてまぬけな光景だろう___。


 見かねたクマさん、動作が止まった草刈り機の横を掠め、衣笠さんへノソノソと歩み寄り、ジャージズボンの尻をくわえてポイッっと彼女を放り投げた。


 思わぬかたちで彼女のパンツを見てしまった……。

 お読みいただき誠にありがとうございます!


 今回も短めのお話となりました。


 次回、くまさんの素性に迫る__!(どうでもいい……?

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