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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
窓口の混雑を緩和せよ
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秋保も良き、飯坂も良き

 さて、方方ほうぼうへのお土産を買って仙台に帰ろう。


 蔵や木造の建物、やぐら、昭和情緒漂う商店が軒を連ねる飯坂温泉。静かで過ごしやすい場所だった。混み合い賑わう場所が苦手な私には、こういう観光地が合っている。


 お土産は昨夜呑んだ地酒『摺上川』とラヂウム玉子、そしてあげまん。それぞれほりえや旅館の近くにある酒屋さんとラヂウム玉子屋さん、観光案内所で買った。


 買い物を終え、温泉街を後にして飯坂温泉駅へ。


 実家に帰るはずなのに、電車のドアが閉まるブザーが物悲しく感じた。


 福島駅では❛ままどおる❜と薄皮饅頭、檸檬れもを購入。荷物が多くなってきた。食べものばっかりだけど、私の故郷であり、あのサンドイッチマンの故郷でもある仙台へ向かうのでどれだけ食べてもカロリーゼロ。仙台ではあらゆるカロリーがきっとゼロになる。


 乗り込んだ新幹線やまびこ号は仙台行で、次の停車駅も仙台。自由席の乗客はまばらで、荷棚を存分に使えた。


 仙台駅に着くと、構内の人混みの中で待ち合わせをしている友人を捜す。


「よっ、未来、久しぶり!」


「都ちゃん! ただいま!」


 待ち合わせの相手は高校時代からの友人、歌津うたつみやこ。セミショートの髪が目印の男勝りな女子。飲料メーカーの工場勤務。


「荷物多いな、東京みやげ?」


「ううん、飯坂温泉」


「え?」


「ちょっと寄り道を……」


「電車移動で飯坂温泉はだいぶ逸れたな」


「人間には温泉が必要、なのだ」


 ずんだもん口調で言ってみた。


「未来の家、徒歩圏に秋保あきう温泉あるよね」


「秋保も良き、飯坂も良き」


「贅沢なヤツめ。さて、飲みに行くか!」


「まだお昼だよ、ちょっと買い物とかお散歩でもしようよ……」


 酒豪ではないと自分では思っている私は昼下がりから夜まで呑む気はせず、とりあえず買い物と散歩を提案した。

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