未来、飯坂温泉に浸かる
温泉に浸かると言ったな。あれは後回しになった。
えー、日帰り入浴のため飯坂温泉の中心部に位置する創業明治15年の木造の老舗旅館『ほりえや旅館』に立ち寄った私ですが、なんとご当地キャラクターやそうじゃないキャラクターをごちゃ混ぜに詰め込んだサブカルルームがあるということで、泊まることにしました。
壁や天井にタペストリーやプリントタオル、ベッドには抱き枕。窓際には何体ものパネル。机には通学鞄が掛けられているなど何この充実ぶり。東北にこんなところがあったなんて。
可愛い女の子たちに囲まれてデュフフフフ……。
こたつでぬくぬくしながら夕食や吟醸酒『摺上川』をいただく。うん、ほどよい辛口で呑みやすい地酒だ。料理はえごま豚のしゃぶしゃぶが特に美味しい。
ゆっくり夕食を楽しんだら、いよいよ温泉の時間。小さな浴室ではあるけれど、一人で入るには十分な広さ。脱衣所も圧迫感がない面積。浴室に入ると左側に小さな岩風呂がある。
アルカリ単純泉なので硫黄の匂いはなく、内湯だから3月でも寒くない。マナーとしてからだを洗ってから入ろう。
「わっ、熱い」
そうだ、飯坂の湯は熱いんだった。施設によって温度差はあるらしく、ここは体感だと43℃くらい。脚だけ入ったものの座る気になれず、縁の岩に着座した。
熱いけど、慣れてくればなんてことないかな。
そう思って前のめりになり腰を落として胸まで入ってみたけれど、数秒で耐えられなくなり岩に戻った。
浴室から出てドライヤーで髪を乾かすころには、少しからだが軽くなっていたような気がする。
 




