散財するオタク、百合丘花梨と衣笠未来
ふたり揃って美味しいオムライスとクリームソーダを堪能したわたしたちは、ショッピングモール内のアパレルショップや本屋の漫画コーナーなどを見て回った。
特に本屋で思わぬ散財をするのはオタクの性。ふたり揃って美少女キャラクターをメインに描くイラストレーターの画集、漫画の単行本最新刊、アニメ映画公開記念の新聞を購入。
その後はテキトーにショッピングモール内を散歩。テラスをモチーフにしたこのショッピングモールは、2階以上のフロア屋外にカフェテラスのような通路があり、住宅地や中高層マンションの向こうに海や江ノ島を見渡せる。
ショッピングモールを出たら、向かいのショッピングセンターに入ってカラオケ大会3時間。目一杯遊んだら眠くなってきた。そうだわたし、寝不足デフォだ。
「やっばい、眠くなってきた」
ショッピングセンターを出て、暮れなずむ辻堂駅前ロータリー、乾いた風が髪に絡んで粉っぽい。
「わたしも」
「未来ちゃんも眠いか。わたしの部屋にお泊まりして、甘い夜を過ごす?」
「あ、甘い夜? でもわたし、悠くんがいるし……」
「男がいるとかいないとか、関係ある? 仙台ってお堅いんだね」
「仙台とか関係ある!?」
小ネタを挟んだ会話をしているうちに、改札口の前まで来た。
「冗談だって。じゃ、わたし帰るから。きょうはありがと」
「こ、こちらこそ、ありがとう! またね」
「うん、また」
クッソ眠くて歩きたくないわたしはバスに乗って帰宅。さてさて、一眠りしてお絵描きやら何やらやりますかな。




