近代鉄道車両の変遷
どうアプローチをかけてゆくかとか、それ以前の問題で資材管理業務に終始して一日が終わった。
1時間1分残業して退勤は19時1分。これでもまだ早く上がれるようになったらしい。デジタルトランスフォーメーションが進んでいなかったころは何百枚もの紙の書類とにらめっこして、各車両所や部品メーカーに電話をかけて在庫数や納品予定日を訊くなど、とにかくアナログ。深夜近くまで残業なんてこともザラだったそうだ。
現在ではPCのモニターからすべて把握できるようになっているし、部品メーカーとはサプライヤー契約を結んで安定的に部品を仕入れられるようにもなった。
昔は全国津々浦々、多種多様な車両が活躍しており、部品の発注数に大きなバラつきがあった。故にメーカーは鉄道会社側からの発注があってから部品製造ラインを組み上げ、職人を集め、製造し終えたらまた解体、解散といった面倒な流れを汲んでいたという。
時代が変遷し現在は一般型車両、特急型車両、また首都圏やその他の地方の車両とも大まかな仕様は共通化されているため、製造ラインは常設、職人も常駐し、安定的な部品供給が可能となったため、サプライヤー契約も可能となった。
日本総合鉄道は首都圏はもちろん、地方の末端路線に至るまで積極的に新型車両の導入を進めている。車両の老朽化以外にも部品供給をしやすくし、労働負荷の軽減や無理なく在庫数の削減を実現できるようにするためでもある。
とはいえ、まだいくらかは30年以上前に製造された古い車両も残っている。
勤務解放され、東海道線より空いている横須賀線に乗って大船を目指す。ドアの上はもちろん、車端部の扉上、荷棚の上にもデジタルサイネージが組み込まれた新型車両。順次廃車となっている旧型車両も現在の主流である新系列車両。つまり僕ら材料担当者にもあまり手間がかからないようにできているが、新型車両は更に効率化するためのシステム開発を進めている。
効率化が進んで負担が減れば、その分社員一人ひとりが新しいことに挑む時間ができる。成城さんや百合丘さんが駅で絵を描けていたのも効率化の賜物だ。現状はあまり良いとは言えないが、流れとしては良い感じ。会社を辞めるか否かは、もう少し様子を見たいところだ。




