けんか祭りをいただこう
なるほど、これがけんか祭り。
食べる前にスマホで『けんか祭り 飯坂温泉』で素早く検索、閲覧。
けんか祭りは飯坂温泉で毎年10月に行われる、神社境内で屋台同士がぶつかり合う祭りだそう。
なるほど、どんぶりいっぱいにワンタンとチャーシューが詰め合って、まるでぶつかり合ってけんか祭りをしているようだ。
まずはスープから。
れんげを垂直に、顔を隠すようにして吸い込む。
ああ、懐かしい。昔ながらの中華そばの味だ。鶏ガラ出汁の醤油スープ。いまどきこういうラーメンはなかなか食べられない。
続いて麺。
つるっ、つるっつるっ。
黄金色の滑らかな麺がスープと絡んでつるつる流れ込んでくる。
ワンタンも、スープに浸して食べるとジュワリとする。チャーシューはやや厚めにカットされていて、旨味が染み込んでいる。
懐かしくて、新しい味。これが飯坂ラーメンか。
しみじみ、つるつる、がっつりと、懐かしいラーメンを味わう。
ああ、ここは天国だ。
あの会社にはもう僕のやることは無さそうだし、もう辞めて、いっそのこと福島で何か立ち上げてみようか。
そして昼になったらここに来て、ご飯をいただく。メニューは多いから、毎日来ても飽きないだろう。
成人男子の腹を十分に満たす『飯坂ラーメンけんか祭り』をスープまで飲み干し、お勘定を済ませて店を出た。お勘定といえば、いまはまず食券を買って注文する店が多いから、直接現金を手渡すのも、なんだか懐かしい。
さて、お腹が満たされたところで、ちょっと一服したい。飯坂といえば温泉だが、日帰り入浴ができる施設を探すか、お茶でも飲むか、ちょっと悩みどころ。
どこに向かうかわからないけど、なんだか面白そうな街。さあ、冒険だ。




