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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
迫るタイムリミット

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円盤餃子

 カラカラカラ。入口から懐かしい引き戸を開けた。


 コンクリートの床、四人がけテーブル席4卓、壁を向いたテーブル席1卓、座敷の小上がり3卓。出入口寄りの小上がり頭上に小型の液晶テレビ。思いっきり昔ながらの食堂だ。卓は半分ほど埋まっている。


「いらっしゃいませー」


 店に入ると、出入口正面、厨房出入口の前に立つ腰の曲がった小さなおばあちゃんが迎えてくれた。口調はハキハキしている。


「こんにちは」


「こちらへどうぞー」


 僕は入って右側、出入口最寄りのテーブル席に促された。


 ローカルCMが流れるテレビ、会話のイントネーションから、客は観光客と地元の客が半々とみた。


 さて、何を頼もうか。


 ラミネートされた1枚モノのメニュー表を手に取った。A4サイズ、横向きの紙に縦書きでメニューがぎっしり書き込まれている。ラーメン類以外に蕎麦や丼物もあるようだ。


 しかし、せっかく飯坂に来たのだから、飯坂ラーメンを食べたい。


 ラーメン、冷やしラーメン、ごますり、けんか祭り。これがラーメンのラインナップ。


 けんか祭り?


 他のメニューはなんとなく想像できるが、けんか祭りとは果たしてどのようなラーメンなのか。気になったので、それと餃子を一人前注文してみた。


「けんかと餃子入りましたー!」


 おばあちゃんは元気よく、厨房に呼び掛けた。


「はい餃子来ましたー! けんかもうちょっと待ってくださいねー」


「はい、いただきます」


 10分ほど待って、先に来たのは餃子だった。5個並んでいて、円盤状にはなっていない。しかし通路を挟んで隣、若い男性二人組の卓に置かれた餃子は円盤状だ。どうやら二人前以上で円盤状に盛られるようだ。


 見た目は一般的な餃子。さて、水を一口飲んで、熱いうちにいただこう。


 取り皿に醤油とラー油、そして酢を垂らして、餃子に付けて頬張る。


 ジュワッ、ザクッ、ザクッ!


 おおお、これは美味い。


 ジュワッと弾ける肉汁、すぐに追ってくる野菜と、パンチの効いたニンニクのシャキシャキした歯ざわりと風味。


 これが円盤餃子か。僕のは円盤ではないが。


 しかしこれは美味い。シンプルに、間違いなく美味い。生命に活力を与える餃子だ。食がどんどん進む。瞬く間に5個すべて食べ終えてしまった。


「お待たせしましたー。けんか来ましたー」


「ありがとうございます。餃子、美味しかったです」


「ありがとねー、餃子美味しいよねー」


 ラーメンと引き換えに空いた餃子の皿は回収。さて、けんか祭りをいただこう。

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