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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
迫るタイムリミット
266/334

磐梯熱海の深山荘

 宿の外観は、パッと見ただけでは民家と間違えそうな、小ぢんまりとした日本家屋。


 その右側の建物には、大きな赤い花が描かれたガレージのようなスペースがある。ギャラリーカフェもく。なるほどこちらはカフェか。


 カラカラカラ。黒髪ショートの女の子のキャラクターとワンちゃんが描かれた緑色の暖簾のれんをくぐり引き戸を開けるとそこは広めの玄関で、横長の靴箱が。その上には岩山のような形状に彫られた艶やかな木の彫刻が置いてある。内装はやや高めの旅館といった印象だ。


 ここが今夜お世話になる旅館、深山荘みやまそうだ。


「こんにちはー」


 衣笠さんが、声控えめに言った。


「はーい」


 奥から声が聞こえた。


「いらっしゃいませー、お待ちしておりましたあ、お上がりになってくださいー」


「どうもどうも、おじゃまします」


 飛び交う東北訛り。


「おじゃまします」


 僕らを出迎えてくれたのは、恐らくこの宿の女将さん。金髪刈り上げショートヘアー、茶色い縁の眼鏡をかけている。服装はカーゴパンツにシャツ。


「ワンワンワンワン!」


「おお、ワンちゃん!」


 どこからともなく現れたミニチュアダックスフントが、衣笠さんの足に前足を着けて二足立ちしている。


 衣笠さんはしゃがみ込んでワンちゃんの頭を撫でている。


「あらあらロンちゃんもお客様がいらして喜んでますね」


「ロンちゃんっていうんですか! おお可愛い可愛い」


 飛び交う東北訛り。


 しばらくロンちゃんと衣笠さんが戯れた後、僕らは部屋に通された。


「うんうん、ちょうどいい広さ! 窓を開ければ磐越西線!」


 何畳あるだろう。ビジネスホテルの一人部屋より1,5倍ほど広い和室に僕らは通された。二つ並んだ布団。枕にはそれぞれ、暖簾と同じ絵柄の風呂敷がかけられている。


 窓の外は線路。右の郡山方面から左の猪苗代方面に向かって急な上り勾配になっている。


 電車が来るのは上下線合わせて1時間に2本。終電は22時台。


「さてさて、それではお料理を用意しますので、温泉にでも入ってください」


 ということで、僕らは浴室へ案内された。五右衛門風呂と大風呂の2つの浴室があるそうだ。案内されているとき、廊下をちらちらと見ていたのだが、焦げ茶の木の床、柱、白い壁と、趣があってなかなか頑丈そう。


 部屋に戻って鞄の中を物色する僕ら。


 宿は貸し切り。混浴もオーケー。さて、どうしたものか。

 お読みいただき誠にありがとうございます。


 来週はワクチンによる副反応が見込まれるため、お休みさせていただきます。

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