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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
迫るタイムリミット
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福島旅行に出発進行!

 福島旅行に出られたのは、成城さんに勧められてから3ヶ月後、5月下旬のことだった。


 大船駅で衣笠さんと落ち合って、8時55分発の特急『湘南』の到着をホームで待っている。


 予約した2号車乗車口付近は適度に陽が差し込み、出かけるにはちょうど良い時間帯だ。また、初夏の温暖ながらも涼やかな風が吹き抜ける季節柄も良い。個人的には年間で最も快適な季節だ。


 僕らの背後には、ここで特急に追い抜かれる高崎たかさき行きの普通電車が停車している。車内は詰め合わせて立てば乗れる程度に混雑していて、少なくとも旅行用の大きなバッグを携えて乗る雰囲気ではない。普通列車には2階建てグリーン車が連結されているが、特急湘南は通過するも利用者が多い横浜駅や川崎駅、新橋駅に止まるため、多くの座席が埋まっている。


「旅の始めから特急に乗る。旅情感があってテンション上がりますねぇ」


 普通列車ではなく特急を選んだのは混雑を避けるためだが、衣笠さんは全身からわくわくオーラを醸している。特急湘南に使用されている車両は以前伊豆へ旅行したときに乗ったものと同一車種の257系なのは彼女も知っているが、初乗車でないにしても心躍るようだ。


「来ましたよ、湘南」


 自動の接近放送が流れると、白とマリンブルーの海沿いらしいデザインの車両が入線してきた。


「ほんとだ来た来た。旅の始まりだあ!」


「楽しそうで何より」


「本牧さんは楽しくないの?」


「楽しいよ」


「それでは旅へ、しゅっぱつしんこー!」


 と、意気揚々と乗り込んだ特急湘南だが、車内は静かで通勤客がほとんど。僕らも静かに車窓を眺めながら終点の東京駅まで浅葱色あさぎいろのリクライニングシートに身を委ねた。


 東京駅からは東北新幹線に乗り換え。仙台行きのやまびこ号と、山形・新庄しんじょう行きのつばさ号が併結された多層建て列車がちょうど良く来た。僕らはやまびこ号を予約していたので、白と青の間にアップルピングの帯が引かれた車両に、新幹線改札口付近のコーヒーショップでアイスコーヒーをそれぞれ買ってから乗った。

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