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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
迫るタイムリミット

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藤沢のファミレスで

 慰労休暇が終わって数日後、花梨ちゃんが川崎の実家を出て藤沢の賃貸マンションに引っ越すというので、私と本牧さんが荷ほどきの手伝いに呼ばれた。実家からマンションまでの家財道具輸送は引っ越し業者に依頼し、マンションに着いてからの荷ほどきを私たちに手伝ってほしいとのこと。


 乗務員登用が決まった花梨ちゃん。配属先は久里浜さんと同じ大船運輸区。川崎の実家から通えない距離ではないものの、一人暮らしをしたくて転勤を機に引っ越しを決めた。


 業者が出入りしている間に素人が割り込むと作業の邪魔になるので、彼らが引き上げてから行くことにした。


「本牧さん、花梨ちゃんの家って、どの辺ですか?」


 大船駅で本牧さんと落ち合い、適当に入った藤沢駅近くのファミレス。私はクリームソーダ、本牧さんはドリンクバーのアイスミルクティーを飲んでいる。冬だけど、コートを着ていると冷たいドリンクが欲しくなる。


「えーと、あ、ここから線路を越えてちょっと辻堂つじどう寄りかな。北口から辻堂団地行きのバスで10分くらい」


 本牧さんがスマホで花梨ちゃんが借りたマンションのマップを見ながら言った。


 辻堂は、藤沢市の西端、茅ヶ崎市との境界にある小さな街。といっても、最近は再開発が進み、大型ショッピングモールや真新しいビルが建ち並ぶ近代都市。宮城出身の私から見ると、とても小さな街には見えない。あくまでも湘南の人にとっての小さな街で、その実けっこうな都会。けれど開発前の名残で過半数の快速電車が止まらない。


 追加注文したオムライスを二人それぞれ食べ、ファミレスを出た。築数十年とみられる中層ビルがひしめき合う藤沢の街。最近発展した辻堂に対し、こちらは古くから発展していたとわかる。


 人通りの多い駅前には6階建ての家電量販店、デパート、銀行、証券会社、餃子のチェーン店などがある。私たちがいる北口、反対側の南口ともに栄えている。


 鉄道は東海道線、小田急おだきゅう江ノ島線、江ノ電が通っている。江ノ電の駅がデパートの中にあるのは、鎌倉方面の区間のみを利用する観光客にはあまり知られていない。また、バスの路線網も充実している。


 東北地方だと、藤沢より発展している街は我らが仙台以外に思い浮かばない。さすが大都会神奈川。東北育ちの私は栄えている街の基準がアップデートされる。

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