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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
はじめてのウエディングプランニング
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お洋服選び

 あれ、私いつの間に眠ったんだろう。ベッド脇のカーテンの隙間からまばゆい光が射し込んで、アブラゼミの合唱が聞こえる。


 まだ7時か。昨晩は緊張のほか、洋楽ポップを聴き始めたら止まらなくなって、結局3時過ぎまで眠れなかった。本牧さんとは10時に喫茶店で待ち合わせ。9時過ぎに家を出る予定だから、お洗濯と身支度をしてちょうどいいくらいかな。


 あと3時間後には本牧さんと……。


 今朝もまた、そのリフレイン。


 でもそれより、疲れているところ貴重な時間を割いてもらって、とても申し訳ないな。せめて飲食代くらい私が持たないと。


 洗濯をして、オレンジジュースと食パン一枚の朝食を摂り、身なりを整える。


 服はどれにしようかな。私服で男の人と会うなんて初めてだから、どんな格好をするか迷っちゃう。スーツだとフォーマル過ぎるし、まさか朝のお散歩気分でジャージを着て出かけるわけにもいかない。


 うわ、高校の文化祭で着たメイド服がある。持ってきたつもりはなかったけど、紛れ込んだみたい。これも当然NG。森ガールファッションだとちょっと色目遣ってるように見られそうだし、ワンピースだと女の子オンナノコし過ぎて引かれるかも……。ここは無難に、白いフリルブラウス、ベージュのスカートと、素足は恥ずかしいから、黒いタイツも穿いておこう。


 いけないいけない、お洋服選びに戸惑っていたらもう8時半。プリティーでキュアな朝アニメを見ながらお化粧しなきゃ。睡眠不足のせいか、ここ数日ファンデーションのノリが悪く、髪もパサついている。


 学生時代、周りの子たちがどんどんメイクアップして見違えるように綺麗になってゆく中、私はメイクに自信がなくて、ずっとスッピンのまま過ごしてきた。あの頃からもっと練習しておけば、チークの塗り方とか、どのリップが自分に合うとかを熟知して、少しくらいは凛としていられたかもしれない。


 下手にガッツリメイクしたらギャグ漫画みたいな顔になりそうだから、いつも通りナチュラルメイクにしておこう。いつにも増して酷いクマをどうにかして隠さなきゃ。クマ隠しを買っておけば良かった。


 一通り身なりを整えて、洗面所の鏡の前に立つ。お出かけ前にはいつもやっている流れ作業。正直、きょうは出勤日以上に気合が入っている。私服だと仕事着のときより胸のラインがくっきりして、本牧さんと会うと思うと意識しせずにはいられない。スカートだって膝上10センチまで露出していて、慣れた格好なのに思わず内股になってしまう。


 恥ずかしかったり、色々迷ったりするけど、今日のお洋服選びはいつもよりウキウキする。これからも、こんな風に悩める日が来るといいな。


 そのとき、ふと本牧さんと出会った日を思い出した。

 お読みいただき誠にありがとうございます。


 先日、第3話に未来の新たなエピソードを挿入いたしましたので、よろしければお読みください。


 今回、女性のおしゃれについての描写をさせていただきましたが、女性の皆さまがどんな気持ちなのか、共感できる内容となっていれば幸いです。

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