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未来がずっと、ありますように  作者: おじぃ
おねショタ旅行
193/334

スーパービュー踊り子の旅

 下からエメラルドグリーン、ブルーの帯、ホワイトに塗装された流線形の電車が到着。外開きのスライドドアが開くとフォーマルな制服に身を包んだ専任アテンダントが降りてきて、乗車券類の確認をした。乗車前から既に豪華。貧乏家庭で育った私はB特急の『踊り子』さえ乗った記憶がない。白地の車体に緑の斜めストライプが入った古い電車。


『この列車は全車指定席、特別急行スーパービュー踊り子5号、伊豆急下田いずきゅうしもだ行きです。指定席券をお持ちでないお客さまはご利用いただけません。車内での指定席券の発売はいたしておりません。次は、熱海にとまります』


「窓でっけー!」


「こら、A特で騒ぐな」


 横浜駅発車前、客室に入って早々はしゃいだ純一を、私は軽く注意した。『A特』は『A特急』の略で、社員や同業者間ではそう呼んでいる。


 ほかの特急や普通列車で騒いで良いというわけではないけれど、格式の高い車両では静粛性も商品としての売りのひとつ。そう、車両は鉄道会社の商品なのだ。


「おっとすまんすまん」


 それなりに聞き分けの良いガキで良かった。


 ハイデッカーと呼ばれる床が高く窓の大きな電車。普通車の座席は車両によりオーシャンブルーもしくはハイビスカスピンク。私たちが乗車した車両は後者のモケットだった。


 座席は背もたれが少し低く感じるけれど、ダイナミックな窓と薄暗く落ち着いた雰囲気のインテリアが高級感を演出し、まぁいいかと許せる。


 あれよあれよと横浜駅から5つ先の藤沢ふじさわ駅を通過すると、電車は一気に加速した。さすが特急。その先の辻堂つじどう茅ヶ崎(ちがさき)もあっという間に通過。速度は普通電車と変わらないけど、通過駅が多いからスピードまで速く感じる。いや、むしろ普通電車の高速なんだ、この路線。


 それでも省令に定められたブレーキをかけてから6百メートルで停止できる範囲内の速度だから、法的には問題ない。

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