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現在2

 時は二〇一〇年。

 日本の首都が東京都と言われていた時代は九十年代後半で終止符を打ち、今では埼玉、茨城、千葉を合体させてできた新都市『都来とらい(都)』に国会議事堂が置かれている。

 『四十四都道府県』という単語が二〇〇〇年の流行語大賞に選ばれた頃が懐かしい。

 日本の首都が都来になった事で、その年から金森区を中心とする土地の近代化と科学研究開発が始まった。この壮大なるプロジェクトは世界中からの関心を集めた。


 現代、都来都金森区は大きな発展を遂げていた。

 駅前の大きな道路には、カプセル型の自動車が行き来している。数年前にガソリン車は全て廃止され、水素自動車に統一された。形は全て同じ。色も一〇色程度と少ないが、環境に無害なのと便利さが重視されている。使用者はナビに行き先を告げるだけで運転する必要はなく、後は機械に任せるだけで良い。テレビを観たり、本を読んだり、眠っている間に目的地に到着している。全てコンピューターが運転しているため、交通事故も皆無となった。そのため、免許さえ取れば学生でも自動車を持つ事が許され、三種の神器の近代革命の一つとして国民に普及している。

 街の様子もずいぶんと変わった。いたる所に高層ビルが立ち並び、球体型やスプーンのような形をした奇抜なオフィスもある。とある洋服店のショーウィンドーには、有名モデルが3D映像によって、まるでその中にいるかのように軽快にステップを踏んでいる。美容院のガラスにも可愛らしい女の子の姿が映し出され、通り過ぎる女性に明るく声をかけていた。

 道を歩く人の姿も大きく変わった。

 昔とは違い、誰も携帯電話本体を手にしていない。しかし、まるでひとごとのように口を動かしている。

 この数年で携帯電話も大きく変化していた。今は、小型のチップを耳に入れ、ライターほどの大きさのリモコンを持つだけ。見違えるほどコンパクトになった。とはいえ、皆が一人でしゃべっているようなので、奇妙な光景である。

 物を買うときも、お札やコインでは直接購入できない。偽札、偽コインが多く出回ったためだ。まず本物の紙幣やコインと判別できる機械で金額分のカードを買い、品物を購入する。不便ではあるが、カード制にした事により偽札や偽コインが出回ることは一切なくなった。

 他にもいろいろ変化した事はあるが、もう一〇年前の東京の風景とは全く違っている。


 そんな、昔の面影も一切なくなった街に、俺達・・・・・・・・・・・の存在がある。







 ───私立・暁金高校 二魂者 七名

   我らは『SP』


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