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伝説級最弱ジョブ『愚者』、智の魔神に参謀され“外せば外すほど最強”になります  作者: Vou
第二章 領主編

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第七十一話 蛮族捜索

 ゼルミナたちと別れると、再びダークエルフの集落への道は木々に隠され、元の森の姿が戻った。


 僕たちは早速蛮族を捜索することになったが、ゼルミナたちも何の手がかりも持っておらず、どこを探せばいいのか皆目見当がつかない。本当に蛮族など実在するのだろうか。

 万が一遭遇したとして、彼らもここに生活している以上、ジャンク領の領民と言えるだろう。単純に排除するわけにもいかない。


「どこを探せばいいかな、アイマ?」


<<獲物を獲っていれば、向こうが見つけてくれるだろうよ>>


 なるほど。


 そこから僕たちは食糧になりそうな魔物を探し、片っ端から(主にリンネが)倒していく。

 ワイルドボアのような地上の魔獣はもちろん、木に止まっている鳥型の魔物も、リンネが「エアー・ウォーク(虚空移動)」で瞬時に近づき、斬り殺す。

 すぐに運びきれないほどの獲物が山と積まれた。

 いったん一部をダークエルフ引き渡すか、と考えていると、リンネがまた僕に飛びついて抱きついてきて、僕は倒れた。


 そんなに獲物たくさん獲れたのが嬉しいのか。……ってそんなわけはない。さすがにもうわかっている。


 見ると、僕の立っていた場所の後方の地面に長い槍が刺さっていた。


 これは確実に即死でしたな。何十回僕はリンネに命を救われているのだろう。

 

 のんびり考える間もなく、敵が姿を現す。

 

 馬に乗った5人ほどの屈強な男女だ。ヒト族だけでなく、牛族やリザードマンなどの亜人も混じっているようだ。それぞれ槍や長剣などの得物を携えている。


 蛮族というのは特定の種族を指しているのではなく、種族混合の山賊のようなものなのか。

 

 中心には、黒馬に乗り、黒いマントに黒い兜で顔を隠した騎士がいる。他の者は蛮族らしい乱雑な身なりをしているのだが、その騎士だけは異質だった。


 数の上では互角だが、僕は戦力外だし、ノクティアの魔法では殺してしまうだろう。実質、ロズウェルが盾役(タンク)をして、リンネに無力化していってもらうしかないだろう。


「とりあえず、わしがヘイト集めるで。『リディキュール(嘲り)』!」


 ロズウェルが前に出て盾を構える。


 黒騎士以外の4人がそれぞれロズウェルに向かってくる。


「ぐわっ!」


 と、ロズウェルが叫ぶ。


 地面に槍が刺さった。

 ロズウェルの首筋から背中にかけてまっすぐな傷がついている。

 前からの攻撃ではない。上空からの攻撃だ。鳥人もいるのか?

 ロズウェルがダメージを受けるとは……生半可な攻撃力じゃないぞ。


<<ロズウェル、いったん結界を張るんだ>>


ローバスト・プリズン(堅牢な監獄)!」


 僕たち5人の周囲に結界が張られる。


 蛮族の戦士たちが次々と攻撃を繰り出してくるが、結界は全てを弾く。


 ひとまずは安全を確保できたか。


 相手も攻撃が通じないところを見て、攻撃の手を止めて距離を取る。


 僕は「リリーフ(慰め)」でロズウェルの傷を癒した。すぐに傷が治ったところを見ると、大きなダメージではなかったようだ。


<<「ローバスト・プリズン」は外からの攻撃も受けないが、中から外への干渉もできない。このまま待っても兵糧攻めになるだけだ。しかし、なかなか統率も取れて、蛮族とは思えないな>>


 くそっ、どうしたらいい。殺すしかないのか?


<<ノクティアの魔法やリンネの武力で殲滅するのは簡単だがな、殺したくはないだろう?>>


「もちろん。彼らは領民だ」


<<そうだな。じゃあ、仕方ない。殺さず、無力化するしかない。ユウマはとりあえず、「ケイオス・ライオット(むちゃくちゃ暴れる)」でディストーションを溜めておけ>>

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