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伝説級最弱ジョブ『愚者』、智の魔神に参謀され“外せば外すほど最強”になります  作者: Vou
第二章 領主編

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第六十九話 魔素の森の奥

「ノクティアはダークエルフ族がどこに住んでいるのか知っているんだよね?」


 僕が尋ねると、ノクティアはぎこちなくうなずく。


「……母親から聞いたことはある……だが、話ができるような相手ではないと思うぞ」


「同じダークエルフ族でも?」


「私の親は追放された身だ。その上、私のように他種族の血を引く者を信用しないだろう」


「でも直接接触したことはないだろう? もしかしたら話の通じる相手かもしれないよ」


<<そうだな、いずれにしてもまずは接触してみなければ始まらない>>


 ダークエルフの住処に向かうため、僕たちは準備をした。


<<屋敷は空けておいていいだろう。盗られて困るようなものもまだないだろう? チャップとアーレンは町に行ってくれ。チャップは人材探しを、アーレンは生活に必要な素材を適宜探してくるといい>>


「布団よろしく!」



 そうして僕たちは屋敷を発ち、アイマを含め、久々に「ラスティ・ジャンク」で冒険となったが、アイマがいると安心感が違う。


 ノクティアの案内で魔素の森の奥深くに入っていく。

 深部に行くほど、出現する魔物も強そうになっていくのだが、リンネが片っ端から豆腐のように斬っていくので、実際に強いのかよくわからない。


 森を進んでも進んでも、同じにしか見えない景色だけが続くのだが、ノクティアは確信をもって進んでいく。

 ノクティアがいなくなったら帰れないな。いや、おそらくアイマが覚えてくれているだろう。

 いずれ道を整備しないといけないだろうな。


「結界だ」


 相変わらず景色は何も変わっていないように思えるのだが、ノクティアがそう言った。


「結界? 幻術? 何にもないように見えるけれど」


<<ロズウェル、「プリズン・ブレイク(脱獄)」だ>>


「おっしゃ。ようわからんけど、やるで。『プリズン・ブレイク(脱獄)』」


 何も起きない。


<<失敗だ。成功するまで続けるんだ>>


 ロズウェルが続けると、3回目の「プリズン・ブレイク(脱獄)」発動で早くも成功し、一瞬のうちに一部の木々が一列に消滅し、そこに整えられた道が開けた。


 と、突然リンネが飛びついて抱きついてきて、僕は地面に倒れ込んでしまった。


 結界が解けたのがそんなに嬉しいのか。


 いや、違うのはわかっている。最近、同じようなことがあった。


 見ると、やはり僕が立っていた場所の後方の地面に矢が……10本くらい刺さってる!!


 強すぎる殺意だな。


 そしてなぜ僕ばかり狙うんだ。


ローバスト・プリズン(堅牢な監獄)


 ロズウェルがこちら側に結界を張る。


「こちらには敵意はない。話をさせてくれ」


 僕が叫ぶ。


 再び矢が飛んでくるが、「ローバスト・プリズン」の結界により、こちらに到達する前に弾かれる。


「頼む、話をさせてくれ。君たちを守りたいんだ」


 すると今度はファイアーボールが大量に飛んできた。が、やはり結界に当たると一瞬で火の玉も消えていく。


 どうしても攻撃を止めるつもりはないのか……



 と、開けた道の奥から、一人の女性と、その後ろに一人の男性が姿を現した。

 その二人は、ノクティアよりも褐色が深い肌のダークエルフだった。

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