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伝説級最弱ジョブ『愚者』、智の魔神に参謀され“外せば外すほど最強”になります  作者: Vou
第一章 冒険者編

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第五十六話 ドラゴン再出現

 僕たちがマーガレットの待つ王城に戻ると、また城門のところでヴァイスが待ち構えていた。僕たちも用事があったからちょうどよかった。

ーーと思っていたらヴァイスから先に切り出された。


「ああ、ユウマ様、お戻りをお待ちしていました。ちょっと大変なことになりまして」


 また頼み事か……


「ヴァイス卿、どうしました?」


「アースドラゴンが出現しました。ディアウッドの町の方に向かっていると報告が来たんです」


「またドラゴンですか!?」


「そうなんです。どうなっているんですかね、近頃は。とにかくドラゴンを討伐できるのは『ラスティ・ジャンク』しかいないんです。お願いします」


 ヴァイスは必死に訴えてくるが、僕たちが断るとは思っていないだろう。

 僕も町が危ないと聞いて、断る理由などない。


「町の人を救わなあかん」


 ロズウェルが言う。

 町がドラゴンに襲われることの悲劇を誰よりも知っているのだ。

 リンネとノクティアの方にも顔を向けると、二人とも頷きを返した。


「わかりました。お受けします」


「おお、ありがとうございます。すぐに馬車を用意します」


「待ってください。御者はチャップという者にお願いできますか? 以前、僕たちをウィルクレストの町まで送ってくれた御者なのですが」


 ヴァイスは少し思案するような顔をしたが、チャップの名前に思い当たりはなさそうだった。


「わかりました。指示します」


「それから、アースドラゴンの討伐に成功したら、報奨はいりませんが、チャップをジャンク家で雇わせてほしいのですが、よろしいでしょうか?」


 またヴァイスは少しだけ考えたようだが、すぐに答える。


「はい、もちろんです。御者なんていくらでも替えが利きますからね」


 さらっと失礼なことを言う。こういうところから人を見下しているところが見えてしまい、この男を好きになれない。

 いずれにせよ、タイミングよくこちらの用件も通すことができた。

 図らずもドラゴンの素材が手に入るチャンスで、ブリックスへの約束も果たせそうだ。


 ただ、問題はアイマなしで僕たちがドラゴンを討伐できるのかどうかだ。


「討伐に必要であれば、すぐに動員できそうな騎士団員もつけますが、どうしましょうか?」


 確かに不安はあるが、前回のレッドドラゴンのときのことを考えると、騎士団が参加するとむやみに犠牲を増やすことになりかねない。


「いえ、大丈夫です。それならマーガレット様に護衛をつけてください。僕たちはアースドラゴンの討伐に向かうので、一緒にウィルクレストに戻れなさそうですから」


「もちろんです」


「御者の準備ができ次第、僕たちはすぐに出立します」

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