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伝説級最弱ジョブ『愚者』、智の魔神に参謀され“外せば外すほど最強”になります  作者: Vou
第一章 冒険者編

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第四十八話 迎撃

 僕はディストーション:100%で「エンカレッジ」を発動し、ノクティアのスキル威力と範囲を200倍にアップさせる。


 ノクティアが詠唱を始める。その視界には魔物の大群を捉えているはずだ。


ダーク・メテオ(闇隕石)


 天空高くから轟音が近づいてくる。その音は、魔物の大群の足による地響きすらかき消す。


 地上部隊が全員地面に伏せた。


 その瞬間真っ黒な無数の隕石が、魔物の大群に落ち、大轟音とともに土煙が何百倍もの高さにまで上がる。

 それはこの世の光景とは思えない凄まじさだった。


 魔物の肉片が城壁にまで届き、ベチャベチャっと不快な音を立てる。


 ノクティアは自分の魔術の想像以上の威力に呆然としている。


<<6割以上は削れたがまだまだだ。後続が近づくまでにまたディストーションを溜めておけ>>


 僕は再び「ケイオス・ライオット」を発動する。6割以上削ってもまだ何千もの魔物が残っているのだ。


 隕石の直撃を免れ、衝撃にも吹き飛ばなかった魔物が数匹門に近いてきたため、ロズウェルとリンネを中心に地上部隊が応戦する。


 さらに後続部隊が近づく前に「エンカレッジ」をノクティアにかけ、再び「ダーク・メテオ」を打ち込む。今回は千匹程度しか削れなかったか。


 討ち漏らした敵も増えてきたため、僕は下で戦うリンネに「エンカレッジ」をかける。


 また近づいてくる群に対応するためにノクティアに「エンカレッジ」をかける。


 ノクティアが群れを削り、ロズウェルがヘイトを集め、リンネが強敵を倒す。


 魔物の数は着々と減ってきてはいるものの、削っていくペースも減っていく。


 戦況は、こちらの我慢とMPがどこまで続くか次第だ。兵団や冒険者も奮闘しているが、ノクティアの攻撃を掻い潜ってくる強敵の相手はできていない。


<<いた>>


「相手の指揮官?」


<<そうだ。戦況が思ったとおりにいっていないから前線まで見に来たようだ。王都まで攻め入るつもりだったろうから出鼻を挫かれて焦っているだろう。やつらを討ち取りたいが、リンネは動けないな>>


 地上を見ると、リンネもロズウェルもまだ何十匹と残っている精鋭の魔物を相手に戦っている。


<<ノクティアに少し先の方にいる8本足の2人が視認できるか確認してくれ>>


 僕が城壁の上のノクティアに大声で聞く。


 ノクティアは遠くを見るようにすると、大きく頷いた。

 彼女自身は気絶していてあの姿を見ていないだろうが、あいつらは間違いなくノクティアに魔素注射をしたやつらの一味だ。


「見えているみたいだ」


<<よし、ノクティアに「エンカレッジ」だ。それから、彼女に、あの2人のいる場所に集中して「ダーク・メテオ」を落とさせろ。ディストーション・レート:10%でも十分だ>>


 僕は「エンカレッジ」でバフをかけ、ノクティアに8本足の2人に「ダーク・メテオ」を集中させるよう伝える。


ダーク・メテオ(闇隕石)


 闇属性をまとった魔界の隕石が8本足の2人を襲う。物理ダメージと魔力ダメージを与えるその隕石は、ディストーション・レート:100%時に比べればだいぶ小振りだったが、一点に集中して降り注いだ。

 一粒の威力が落ちてもこれでは、逃れられないだろう。


 すると、隕石の降り注ぐ中、その地点で爆発が起こった。

 明らかに闇隕石によるものではなかった。


<<証拠を消されたな。周到なやつらだ>>


 指揮官を失ってもなお、一部の魔物は目の前の人間たちを襲い続けていたが、次第に魔物たちは離散を始めた。

 残りは簡単に数えられる程しか残っていない。


 僕は「エンカレッジ」をリンネに集中する。


「リンネ、強いやつには「レクイエム・ブレード(葬送の刃)」を使っていいぞ! 指揮官は討ちとった!MPを温存する必要もない!」


 声が届いたようで、リンネはスキルを連発していき、残りの魔物もあっという間に倒れていった。


 後には累々と散らばった無数の魔物の死体。


 僕たちの勝利だ。

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